<早読みダイジェスト>
- CRM(顧客関係管理システム)は本来、全ての顧客接点を包括的に管理する大きな概念
- 販売プロセスのうち、MAは「プリセールス」、SFAは「ミッドセールス」を扱い、顧客サービスが「アフターセールス」と「プリセールス」の一部を支援すると考えると分かりやすい
- デジタルとリアルの顧客接点をシームレスに連携させることは、質の高い顧客体験を提供するために不可欠であり、そのための機能を備える
CRM(Customer Relationship Management)に関するアプリケーションは、既存顧客や将来の顧客とのやり取りを管理するソリューションとして、1990年代終わりから2000年代初めにかけて登場した。大企業でのSFA(Sales Force Automation)アプリケーション導入が一巡し、最近では「SFA=CRM」の文脈でCRMを語るケースがしばしば見られるが、これは正しい理解なのだろうか。
CRMの定義を改めて確認し、市場やユーザー企業の現状と今後の展望について解説する。
CRMの定義と主なベンダー
GartnerはCRMを「顧客セグメントを中心に顧客満足度が向上する行動を推進し、顧客中心型のプロセスを実装することで形成される収益性、売上、顧客満足度を最適化する成果をもたらすビジネス戦略」と定義している。ここで注目したいのは、CRMをビジネス戦略とみなし、CRMアプリケーションを別途定義していることだ。