ノークリサーチは2016年10月12日、調査レポート「2016年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「セキュリティ」カテゴリのサンプルおよびダイジェストとして、国内中堅・中小企業向けセキュリティ製品/サービスの導入社数シェアとユーザー評価に関する分析結果を発表した。

最も重要な課題の解決策として製品/サービスが持つべき機能や特徴(複数回答可)
最も重要な課題の解決策として製品/サービスが持つべき機能や特徴(複数回答可)
(出所:ノークリサーチ)
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 ポイントは3つある。(1)企業向けセキュリティ製品/サービスにとっては個人向け製品/サービスも競合相手の1つとなっている。(2)SaaS形態のセキュリティサービスが占める割合は2.5%(2015年)から9.5%(2016年)へと増加した。(3)同じ中小企業層でも、年商によって「危険の予知」や「対策の自動化」を求める割合は異なる。

 導入済みのセキュリティ製品/サービス(複数回答可)を尋ねたところ、1位はトレンドマイクロの「ウイルスバスターコーポレートエディション(企業向け)」(28.7%)、2位はシマンテックの「Symantec Endpoint Protection(企業向け)」(18.1%)、3位はトレンドマイクロの「ウイルスバスタービジネスセキュリティ(企業向け)」(15.7%)、4位はトレンドマイクロの「ウイルスバスター(個人向け)」(15.0%)、5位はマカフィーの「McAfee Endpoint Protection」(9.6%)だった。企業におけるセキュリティ対策を対象としているが、個人向け製品も利用されていることが分かる。

 2015年から2016年にかけての変化は大きく2つある。1つは、依然として個人向けの製品/サービスを利用している企業が少なくないことである。もう1つは、SaaS形態サービスの導入社数シェアが上がっていることである。SaaS形態のセキュリティサービスが占める割合は、2.5%(2015年)から9.5%(2016年)へと顕著に増えている。

 同じ中小企業層でも、年商によって「危険の予知」や「対策の自動化」を求める割合は異なる。年商5~10億円と、年商10~20億円は、企業層の大きな分類では共に「中小企業層」に属するが、年商10億円を境にして「標的型攻撃への対処」、「ログ参照による危険の予知」、「セキュリティ対策の自動化」などを今後のニーズとして挙げる割合に差がある。企業規模が大きくなるにつれ、これらのニーズが高まる。