MM総研は2018年4月12日、個人事業主を対象にWebアンケート調査を実施し、2018年3月末時点のクラウド会計ソフトの利用状況をまとめた。クラウド会計ソフトの利用率は14.7%で、クラウド会計ソフトのシェアは「弥生」が55.4%、「マネーフォワード」が21.1%、「freee」が16.5%となった。

図1●会計ソフトの利用率と利用形態
図1●会計ソフトの利用率と利用形態
(出所:MM総研)
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 調査の対象は平成29年(2017年)分の確定申告を実施した個人事業主(1万7016事業者)。調査の結果、会計ソフトを利用している個人事業主は28.4%(4841事業者)で、このうちクラウド会計ソフトの利用率は14.7%(771事業者)だった。確定申告予定者を対象とした2017年12月調査の13.5%から1.2ポイント増加した。

 クラウド会計ソフトを利用している個人事業主に、実際に利用しているクラウド会計ソフトを回答してもらったところ、事業者別では「弥生」が55.4%で最も多く、「マネーフォワード」が21.1%、次いで「freee」が16.5%となった。

図2●クラウド会計ソフトのシェア
図2●クラウド会計ソフトのシェア
(出所:MM総研)
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 トップシェアの55.4%を獲得した「弥生」は、2017年12月調査時の55.1%からシェアを0.3ポイント上げた。2015年12月の調査開始以来、常にシェア50%を超えており、個人事業主から安定した評価を得ている。

 2位の「マネーフォワード」は、2017年12月調査時の23.1%からシェアを2.0ポイント落とし、21.1%となった。同社がシェアを落としたのは、2016年3月調査以来、初めてとなる。一方で「freee」は、2017年12月調査時の16.1%から今回調査では0.4ポイント増となる16.5%で、シェア低下に歯止めが掛かった。

 2017年12月調査時の上位3社の合計シェアは94.3%、2018年3月調査では93.0%となった。個人事業主におけるクラウド会計ソフト市場は、半数以上を占める「弥生」が市場をけん引し、さらに「マネーフォワード」、「freee」などのベンチャー系事業者が加わった上位3社による寡占状態になっている。

 クラウド会計ソフトを認知しながらも現在利用していない個人事業主(9056事業者)に今後の利用意向を確認したところ、「今後利用したい」(7.2%)と、「どちらかといえば今後利用したい」(28.5%)を合わせ、クラウド会計ソフトの利用意向率は35.7%となった。

 この利用予備軍を事業継続年数で分析したところ、2年未満が52.1%、2年以上5年未満が43.7%、5年以上20年未満が34.7%、20年以上が32.7%と、事業継続年数が若いほど利用意向が高い結果となり、過去5回の調査と同様の傾向となった。事業継続年数の若い個人事業主が引き続き、クラウド会計ソフト市場をけん引していくものと見られる。

 調査概要は以下の通り。調査対象は、平成29年(2017年)分の確定申告(確定申告期間は2018年2月16日から3月15日)を実施した個人事業主。回答件数は1万7016事業者。調査方法はWebアンケートで、調査期間は2018年3月16日から29日。