ITproマーケティングが創刊して約3年、デジタルマーケティングの波に乗って、成長を遂げてきた。その一方で現在に至る技術や市場の進化や、マーケティングオートメーション(MA)に関わる企業の考え方の変化など、改めて記事として取り上げづらい業界内で暗黙の了解などにいくつも直面している。

 そこで今回、ITproマーケティングのコンテンツに深くかかわり、デジタルマーケティングに長年携わってきた二人の対談を基に、「なかなか言いづらい本音」を描いてみることにした。

 対談に登場したのは、ITproマーケティングから2016年に書籍「マーケティングのKPI~『売れる仕組み』の新評価軸」を発刊した上島千鶴氏(Nexal代表取締役)と、ITproマーケティングの人気連載「一歩先を行くデジタルマーケティング」をITproでの連載から数えて5年以上続けてきた熊村剛輔氏(アドビ システムズ マーケットディベロップメントエンジニア)である。

上島千鶴氏(Nexal代表取締役、右)と熊村剛輔氏(アドビ システムズ マーケットディベロップメントエンジニア)
上島千鶴氏(Nexal代表取締役、右)と熊村剛輔氏(アドビ システムズ マーケットディベロップメントエンジニア)
(撮影:都築雅人)

 そもそもこの企画は、某SNSに上島氏がつぶやいた内容に、熊村氏が反応したことを発見したITproマーケティング編集部が、両氏に対談を持ちかけたことからスタートした。2時間に及んだ対談から、日本のデジタルマーケティングに関わる課題が浮かび上がった。