今日も慌ただしい様子の直井研究員。「忙しいから仕方がない」という思い込みを捨てることが業務改善の始まりだと言う平野所長。メールの改善が業務全体の改善につながり、コミュニケーションのあり方や心の持ち方、人間関係や仕事の評価にも関わってくると所長は言います。

平野所長(以下、平野):直井さん、あの件、メールの返事をくださいね。

直井研究員(以下、直井):あの件って、どの件のことですか?

平野:講演資料の修正の件だよ。

直井:メールをもらっていましたっけ?

平野:送っているよ。

直井:ちょっと待ってください。えっと……ありました。すみません。まだ読んでいません。

平野:じゃあ、いますぐに返事をしよう。

直井:後でもいいですか?

平野:後回しにするとまた忘れるよ。

直井:でも、いまは時間がとれないんです。なんだか、急かされているみたいです。

平野:急かしていないけど、開封したらすぐに処理したほうが、ムダがないよ。

直井:メールがたくさん届いているので順番に処理をします。今日は外出があって、さっき戻ってきたんです。電話もかけなければならないし、資料も作らなければならなし、あー時間がありません。どうしよう。所長、手伝ってください!

平野:いや、それはできない。私にも、いまやらなければならない仕事があるからね。

直井:冷たいです。

平野:冷たいとかの話ではないよ。ひとつひとつ片付けていこう。

直井:それは分かっています。でも、やらなければならないことが多いんです。

平野:今日の講座の受講者も言っていたなぁ。メールの通数が多く、仕事も忙しくて、せわしない毎日を過ごしていると。残業が続いているとも言っていたなぁ。

直井:そういう方は多そうですね。

平野:現状を「仕方がない」と思って我慢したり、疑うことなく受け入れたりするのは問題だな。どこかで改善のメスをいれないと状況は変わらないよ。明日も明後日もバタバタして、この先ずっと同じような状態が続くのはどうだろう。

直井:それは嫌です。

平野:だよね。

直井:でも、忙しいんです。

平野:それは分かったよ。ただ、まずは「忙しいから仕方がない」という思い込みを捨てようか。

直井:思い込みですか?

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