ITproマーケティングが開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit 2016 Autumn」で、ブライトコーブ シニアセールスディレクター 北庄司 英雄氏は、BtoBに関連するさまざまな分野に動画の活用領域が広がりつつあるという認識を示した。「NECにおけるオウンドメディア上での実践動画マーケティング」と題した講演では、マーケティングオートメーション(MA)ツールと動画サービスの連携についても言及した。講演に登壇したNECマネジメントパートナー MC事業部 第三MC事業部 デジタルマーケティングG 内田 朝子氏は、NECの10年余に及ぶデジタルマーケティングの歩みと、BtoBにおける動画活用の事例について説明した。
「インタラクティブビデオ」による動画マーケティングに普及の兆し
講演の冒頭で北庄司氏は、企業が自社のマーケティングに動画を活用するケースが増えつつある状況に触れながら、「企業に『動画マーケティング、やっていますか』と聞くと『やってるよ』という答えが多い。しかし、実態は動画の『制作』と『広告』だけで、『配信』や『解析』を含めた動画マーケティングまで実現しているケースは少ない」と切り出した。
ブライトコーブは毎年、米ボストンの本社に顧客を招いてイベントを開催し、その年の「動画のトレンド」をまとめている。北庄司氏は、そのイベントから感じ取ったこととして、動画の中にインタラクションを設ける「インタラクティブビデオの流行の兆し」、「動画専任のポジションを設置する一般企業の増加」、テレビやサイネージなどPC・スマホ以外へも動画を配信する「コンテンツの配置最適化」、「マーケティングオートメーション(MA)ツールのとの連携」の4点を挙げた。
動画とMAツールの連携に関して北庄司氏は、ブライトコーブはオラクルやマルケトと連携をしている状況を紹介した。「視聴者が動画を87%見たらメールを送付、94%見たらマーケティング担当から連絡、完全に終わりまで100%見たら営業から直接電話するといった取り組みを始めているところ」(北庄司氏)という。
動画のデータ利用という視点で積極的なNEC
ブライトコーブにとって、日本国内での有力クライアントの一つがNECだ。同社のデジタルマーケティング部門について北庄司氏は、「単に動画を配信するというフェーズではなく、動画のデータをどう使っていくかという視点で非常に積極的である」と高く評価する。
講演に登壇したNECマネジメントパートナーの内田氏は、まずNECの企業サイトの特徴を説明した。内田氏によれば、コーポレートサイトと独立した会員情報サイト「wisdom」は2004年に設立し、現在は会員数77万人を誇るという。「『NEC色がない』ビジネス情報サイトで、リード創出エンジンとして機能してきた」(内田氏)。