ITproマーケティングが開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit 2016 Autumn」で、エムエム総研 代表取締役CEO 萩原 張広氏は、業績アップにつなげるマーケティング活動のポイントを解説した。「BtoBマーケティングで事業成長を最大化!いま企業にプランナーが必要な理由」と題した講演で、今マーケティングプランナーが求められている理由、そしてプランナーを育てるノウハウについて最新事例を交えて説明した。

日本にはマーケティングプランナーを発掘、育成できる場が足りない

エムエム総研 代表取締役CEO 萩原 張広氏
エムエム総研 代表取締役CEO 萩原 張広氏
(撮影:都築雅人)
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 「マーケティングプランナーは非常に重要だ。しかし、多くの企業ではその人材を発掘、育成できる環境がほとんどない」――。萩原氏は、現在の日本企業のプランナー不足を指摘した。

 ではプランナーの役割は何か。エムエム総研を設立する前、いくつかの営業職を経験してきた萩原氏は、営業の立場からプランナーとマーケティングの役割の重要性を語った。

 萩原氏はこれまで、英会話ツールや建材の売買、リクルートでの求人広告など、さまざまなタイプの営業を経験してきた。英会話ツールの営業では顧客との1回の商談で受注まで持っていくが、建材は建築業者と長く付き合いながら、継続して営業活動を進めていく。

 「英会話ツールでは、1回の商談にパフォーマンスの最大化が求められた。一方の建材は業者との長い付き合いになるので、なによりも信頼を勝ち取ることが大事になる。この二つは全く正反対の営業スタンスだった」と萩原氏は振り返る。「このように複数のスタンスで営業を経験したため、後にマーケティングの重要性を認識するようになった」と語る。

 営業という視点でビジネスを捉えていた萩原氏にとって、大きなターニングポイントとなったのは、1998年の渡米経験だ。「米国の最先端の営業手法に関心があった。日本で見られる飛び込み営業やアポ取りを、米国のトップ営業は実践しているのか」という興味を持って海を渡ったという。

 「米国では当時、既にBtoBマーケティングの考え方が存在しており、リード獲得まではマーケティングが担当し、その後に営業に引き継ぐという仕組みができていた。日本のような飛び込み営業などやってはいなかった」と萩原氏は当時の状況を語る。続けて「私も日本の旧態然とした営業スタイルを変えたいと思い、マーケティングの支援ビジネスへと転換した」と述べた。

売り上げが将来伸びる顧客を捕まえることがマーケティング

 萩原氏がマーケティング支援ビジネスに手を伸ばした理由に、営業の生産性を上げるにはマーケティングが必要という認識も大きかった。「極論すれば、トップ営業が何十人もいるなら、マーケティングなどいらない」と萩原氏は語る。

 ではトップ営業と普通の営業の違いはどこにあるのか。萩原氏は「トップ営業は、先を見て継続的に売り上げを伸ばすことを考える。普通の営業は、瞬間的な売り上げを求める」と違いを解説する。できる営業は、自分自身がブランドになると萩原氏は考えている。

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