デジタル変革における阻害要因として最も多く挙がったのは「デジタル化の実務を担う人材の不足」。以下「リーダー不在」「デジタル戦略の欠如」などが続く。
幹事会員は一般会員に比べ、阻害要因を感じる割合が少なかった。変革リーダーとして数々の“修羅場”を経験するなかで、できないことを人や環境のせいにする「他責」ではなく、自分の努力で打開すべきという「自責」の意識が強まっているようだ。34ページからのインタビューでもそれが裏付けられている。
デジタル化推進でリーダーシップを発揮することを期待するのは、「経営トップ」が半数に上った。その他の部門については、回答者の立場によって異なる傾向が表れた。
幹事会員は事業部門、一般会員は企画/経営企画部門を挙げる声が多かった。またIT部門は自部門を、非IT部門は企画/経営企画部門を挙げている。一般会員や、非IT部門の会員には企画/経営企画部門が多いことを考えると、それぞれ「自部門こそがリーダーシップを発揮すべき」と自負しているといえそうだ。
経営トップとのコミュニケーションの頻度は、幹事会員が一般会員を大きく上回った。執行役員など、上級管理職が多いことが影響しているとみられる。またIT部門の回答者の接触頻度は、非IT部門より低い。
所属する組織に求める人材像として最も多く挙がったのは「変革への意欲と行動力がある」こと。一般会員では「戦略・戦術などの策定能力」「創造性」も多く挙がった。
幹事会員の34.6%が「海外での勤務経験」を挙げた。後述するが幹事会員には自らも海外勤務を経験した人が多い。多様なものの見方や、未知の場所に対応する柔軟性が、変革にも必要とみているようだ。