Part 3で紹介したBIツールは、様々な業務や用途で利用できる汎用性の高いツールだ。こうした汎用性こそ持たないが、データの傾向を一目で把握できる点で注目すべきツールもある。ここでは4 つのデータ分析ツール、サービスを紹介したい。

 まずは、ユーザーローカルが提供するウェブアクセスの解析サービス「User Insight」だ。同サービスが採用したビジュアライゼーションは「ヒートマップ」。よくアクセスされた部分は赤色、そうでない部分は青色で表現し、ウェブページ全体のアクセス状況を直感的に把握できるようにした(図)。

●「User Insight」は利用頻度をヒートマップで表す
●「User Insight」は利用頻度をヒートマップで表す
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 具体的には2 つの指標をヒートマップで表現している。1 つはクリックされた回数。クリック回数が多いということは、クリックされた場所に記載されている情報に、たくさんの閲覧者が関心を示したことを意味する。

 このクリック回数とクリックされた場所をひも付けるのが、ヒートマップだ。クリック回数の多い場所を赤色、そうでない場所を青色としてウェブページに重ね合わせて表示する。すると、ウェブページのなかで閲覧者の関心を集めた場所が、一目で把握できる。

 もう1 つの指標が、ウェブページのスクロール操作。操作が止まった場所を赤色、そうでない場所を青色で表す。スクロールの操作が止まったということは、その部分を閲覧者が熟読した可能性が高い。ヒートマップをウェブページと重ね合わせて表示すると、閲覧者の関心が集まった場所が一目で分かる。

 このように、指標と場所をひも付けるのにヒートマップは非常に有効なビジュアライゼーションだ。同様な手法を使って動線分析で利用するのが、ABEJA(アベジャ)の「ABEJA Dashboard」。来店客の動きを撮影した映像データを機械学習で分析し、出力した動線データをヒートマップで表現し、映像データに重ね合わせる。店内でにぎわっている場所を一目で見つけ出せる。

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