苦労してデータを分析し、課題解決の糸口が見えた。だが、周囲に説得力を持って伝えられなければ、実行には至らない。そこで活用したいのが、図やグラフで解説する「データビジュアライゼーション」。数字を読むのが苦手な人も、直感的に数字の意味が分かり、改善のアクションにつなげやすい。
データ分析ツールも、グラフ作成や選択がより簡単にできるように進化。分析者が気づきを得やすく、周囲とも共有しやすい「セルフサービスBI」を実現する。一目見ただけで「分かる」「伝わる」「動ける」データビジュアライゼーションの極意をまとめた。
Part 3で紹介したBIツールは、様々な業務や用途で利用できる汎用性の高いツールだ。こうした汎用性こそ持たないが、データの傾向を一目で把握できる点で注目すべきツールもある。ここでは4 つのデータ分析ツール、サービスを紹介したい。
ビジネスパーソンにとって最も身近なデータ分析ツールは、エクセルだろう。だが扱えるデータ量が限られ、手作業が多いため、ビッグデータ分析には使いにくい。そこで役立つのが、大容量のデータを扱え、多様な分析機能を持つBIツールだ。
ビジュアライゼーションはもろ刃の剣
プレゼン資料や報告書の作成でも、ビジュアライゼーションは相手を説得し、理解を促す大きな手助けとなる。ただし、ビジュアライゼーションはもろ刃の剣であることに注意が必要だ。見かけに懲りすぎて、どこに注目すればいいか分からない資料になりかねない。
ディー・エヌ・エー、スカパー・カスタマーリレーションズ、エンプライズ
データビジュアライゼーションを使って、「ヒト」の動きを見える化し、マネジメントに役立てる取り組みも始まっている。ディー・エヌ・エー、スカパー・カスタマーリレーションズ、エンプライズの各社の取り組みを、具体的に見てみよう。
名古屋鉄道、良品計画、千趣会
同じデータでも、一覧表に羅列したときと、グラフや色を駆使してビジュアライズしたときとでは、気づけることに大きな差が生じる。それを実感できるのが、愛知県と岐阜県で鉄道やバスの事業を手掛ける名古屋鉄道の取り組みだ。