前回は、キャッチコピーを考える前に検討すべきステップについて解説した。実際に自社の製品やサービスに置き換えて考えてみていただけただろうか。
このステップを追って実施していくことで、案外と考え切れていない項目がある事実を実感できたのではないだろうか。筆者も現場で検証しているが、想像した以上に、深く議論することなくキャッチコピーを作っているケースが多くあった。
マーケティング担当者は時間がない中で、効率的に業務を遂行する必要がある。一つひとつのキャッチコピーに多くの時間を割いて検討できない、という悩みも理解できる。
それでも投資対効果を高めるには、「当たり前のこと」を徹底することが重要となる。もしも前回の内容を読んでいないなら、まずはそちらを読んでから今回の内容に入ってほしい。
さて、前回は以下のキャッチコピーを掲げている製品を例に、新しいキャッチコピー作りを考えてきた。このキャッチコピーのどこに問題があったのだろうか。何となく気付いてもらえたのではないだろうか。
○○は業務の「効率化」を実現するクラウド型システム
~○○業向けクラウド型統合管理システム~
前回共有した事前の検討要素を再掲する。
ステップ1:顧客は何に困っているのか?
ステップ2:ペルソナを決める
ステップ3:ペルソナはなんとつぶやいたのか?
ステップ4:製品価値を再定義する
ここまでであなたが扱う製品やサービスについて、典型的な顧客像(ペルソナ)を具体的に定義し、そのペルソナが抱えている課題とつぶやきが明確になってきた。その状況を客観的に見たときに、本当に伝えるべき製品価値は何なのか。その整理までが完了しているはずだ。
例とした製品の場合、
“目標として設定した粗利を確実にキープできる仕組みができる”
というものが、ペルソナが求めている「製品価値」であることを再定義できた。