○○は業務の「効率化」を実現するクラウド型システム
~○○業向けクラウド型統合管理システム~
これは実際に筆者が相談を受けたキャッチコピーである。
この会社は、Webマーケティングを主体にクラウド型システムの契約社数を伸ばしており、その業界では1位か2位のシェアを持つところまで成長していた。特定の機能に特化したサービスからリリースし、業界内の企業が必要とする機能を網羅的にカバーできるところまで成長した。
さらに利用企業数を増やすために、展示会での成果を最大化したいというニーズを受けて、筆者が手伝うことになった。今回はこの会社をケーススタディとして取り上げ、BtoB企業でのキャッチコピーの作り方を解説していきたい。
ステップ1:顧客は何に困っているのか?
キャッチコピーを作る上で、筆者が最初に確認するのは「顧客の課題」である。
ありがたいことに、この会社が提供するクラウドサービスには多くの顧客が存在する。そこで、自社のサービスを利用する顧客に、導入前の課題についてヒアリングしてみた。その結果、以下の課題があることが分かった。
- プロセス管理が不十分で粗利率が低くなってしまう
- 顧客の管理が十分にできていない
- 社内の情報共有ができていない
このように、ヒアリングに基づいて“顧客の課題”を話し合っていると、必ず言われることがある。
「それは顧客ごとに違いますね。こんな課題がありますと、一概には言い切れませんね」というものだ。
この指摘は正しい。しかし、それでも製品やサービスが提供する機能と顧客の課題には、一定のパターンが存在している。
そこで「仮に上位3点に絞るとしたらどれですか?」というように絞り込んでいく。営業現場に携わる人が複数いれば、この絞り込まれるポイントも微妙に変わってくる。
通常の場合、この課題の絞り込みではじっくりと議論していくが、最終的な方向性はその製品やサービスを統括する責任者が決定することになる。この会社では社長が決定した。
ステップ2:ペルソナを決める
課題を絞り込めたら、次に典型的な顧客像(ペルソナ)を検討していく。どんな属性を持った顧客であれば、興味を持ってくれるのか?その製品を欲しいと感じるのか?顧客を想定しながら考えていく。