TOTOは工事業者など専門家向けサイト「COM-ET」をリニューアル。工事現場から図面を見られるようタブレットなどの端末に対応したほか、商品検索の動線内に、使い勝手を損なわずに新製品を紹介する工夫を盛り込んだ。
「当社のBtoB向けウェブサイトの取り組みは長い。1995年にウェブサイトで型抜きやテンプレートの提供を始め、1999年に建築関係者向けサイト『COM-ET(コメット)』を開設。専門家に喜ばれるサービスを追求してきた」。販売統括本部 メディア推進部 WEB企画グループの羽佐田浩グループリーダーは振り返る。
そんな同社がCOM-ETを全面刷新したのは2015年1月のことだ。
当時、建設業でタブレットやスマートフォン(スマホ)など携帯端末の導入が進んでいた。工事に携わる職人が現場でスマホを使い、COM-ETから図面をダウンロードして現場と参照するなどの使い方が増えていた。そうした工事現場のワークスタイル変革にCOM-ETも対応しようという狙いがあった。
刷新時にはこれまでのサイトの課題も解決。第1は直帰率の高さだ。COM-ETを訪れた専門家はお目当ての品番の図面を検索し、他のページには寄り道せず離脱していた。
第2に設計事務所や工務店、リフォーム店、水道工事店などの中小企業や店舗に、最新の情報を届けきれていなかったこと。大手の建設会社(ゼネコン)や設計事務所にはTOTOの営業担当者が回って新製品情報を届けていたが、中小企業や店舗は何年も前のカタログを使い続けていることもあった。そうした店舗の専門家は「以前の定番商品の品番が頭に入っており、古い定番商品を注文し続けて、なかなか新製品を使ってくれない」(羽佐田氏)。新製品をいかに訴求するかが課題だった。
刷新後のCOM-ETは、タッチ操作でも使いやすいよう大きめのアイコンを配置。また会員登録のメリットを訴求するため「マイページ」機能を新設。過去に閲覧した図面の履歴を一覧表示して簡単に再アクセス可能にしたり、カタログの送付請求時に住所入力を不要にしたりと利便性を高めた。「刷新後のCOM-ETは会員の増加ペースが1.5倍に伸びた」(販売統括本部 メディア推進部 WEB企画グループの藤田健史氏)。