AWSを安く使うにはコツがある。オンプレミス環境と同じように考えていては、コストが高くなる一方だ。PART4では、コスト削減に効果がある九つのポイントを専門家が解説する。

狙うべきは九つのポイント
サーバー乱立には要注意

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一時的なサーバーは入札で買う
スポットインスタンスの利用場面

 EC2で使い方が難しいのは、スポットインスタンスだろう。前述のように入札額よりも相場が上回れば自動的に停止する。しかし、この料金体系も工夫次第で有効なコスト削減策となる。

 写真1は「c3.xlarge」のスポットインスタンスの価格の推移である。c3.xlargeのオンデマンドインスタンス価格は0.255ドル。これに対してスポットインスタンスの価格は0.05~0.1ドルだ。つまり、スポットインスタンスは、オンデマンドインスタンスの半額以下の価格である。とても魅力的な料金だ。だが繰り返しになるが、相場が入札額を超えると、インスタンスが停止してしまう問題がある。

写真1●スポットインスタンスの価格の変化
写真1●スポットインスタンスの価格の変化
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 ではこうした状況で、スポットインスタンスをどのように活用するのか。最も効果を発揮するのは、既存インスタンスの「補助的」な役割を担わせるケースである。例えば、常時稼働しているWebサーバーが数台あり、一時的にトラフィックが増える際に、スポットインスタンスを追加する。もし市場価格が変動してインスタンスが停止しても、補助的な役割なので影響は少なくて済む。

 検証目的などの一時的な環境で、スポットインスタンスを利用するのも有効だろう。検証用のインスタンスは、オンデマンドインスタンスで起動することが多いが、スポットインスタンスで起動することで、前述のように安い価格でEC2インスタンスを利用できる。ハイスペックなインスタンスタイプの動作検証やベンチマークなどに、特に効果を発揮する。

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