最近の自動販売機には、スマートフォンと連携する機能があります。例えば日本コカ・コーラやキリンビバレッジバリューベンダーの自動販売機には、スマートフォンのアプリと連携して購入時にポイントを取得できるような機能がついています。ここでユーザーの位置を知る技術として使われているのがBluetoothです。
Bluetooth対応の自動販売機は、ユーザーが近くに来れば自動販売機の存在を教えてくれます。自動販売機に代表されるように、1メートル以下といった精度でスマートフォンを持ったユーザーの位置を知ることができれば、様々な応用が可能です。こうした精度の高いロケーション技術を「マイクロ・ロケーション」などと呼びます。
従来の数メートル程度のロケーション(位置情報)技術の代表ともいえるGPSは、衛星からの電波を直接受信する必要があり、原則として屋内施設では利用できません。また、衛星とユーザーの位置関係によっては精度が低くなる場合もあり、安定して高精度な位置情報を得るためには補完技術が必要です。
そこで一般には、GPSではなく施設内の公衆無線LANを利用し、無償の接続サービスを提供する代わりにWebブラウザーによるログイン画面で案内などをユーザーに見せています。無線LANの接続時間でユーザーの来店や滞在時間は分かりますが、それ以上の情報は得られません。
マイクロ・ロケーションが可能になれば、施設内のナビゲーションや案内といった情報を提供するために、ユーザーの位置を判定してアプリを自動で起動したり、チャットアプリやメールでメッセージを送ったりといったことも可能になります。精度が低いと、例えば施設の近くを通り過ぎただけでメッセージが来てしまい、迷惑がられるだけです。