2018年3月7日(米国時間)、2018年内の完成を予定する次期Android「Android P」のプレビュープログラムが開始されました。おそらくAndroid 9.0として世に出るバージョンです。スマートフォンのトレンドをOSの標準機能として取り込むなど、プレビュー版には以下のような機能が含まれています。
- 通知の表示/応答の強化
- ディスプレーの切り欠きに対応
- 屋内環境下での位置測定
- マルチカメラを標準カメラアプリで利用
- 意図しない画面回転を防止
- 新しいメディア形式とデコーダーのサポート
- 暗号化バックアップ
- データコストを考慮したジョブスケジューラ
これらのうち、大きめの変更点を中心にAndroid Pのプレビュー版を見ていきましょう。
通知の表示/応答の強化
今回の大きな変更点のひとつが「通知」です。と切り出すとあまりに普通でガッカリされるかもしれませんが、人それぞれの状況に合わせた賢い通知の実現は、スマートフォンにとって「喫緊」の課題といえます。
Android Pの通知は、画像や発信者情報、グループ会話などを簡単に付加できるようになります。これらにより、通知内容を従来よりも詳細にユーザーに提示することが可能です。ただし通知はアプリ側で作成するため、アプリが新しい通知APIに対応する必要があります。
一部の通知では、例えばメッセンジャーならば、通知から簡単な応答を返せるようになっています。こうした操作は「アクション」として定義されます。Android Pではアクションの機能が強化され、テキストを入力するような応答を下書きとして保存することが可能になりました。
あらかじめ定義されたアクションには「既読マークをつける」「返信する」といったものがあります。また、これまでハングアウトやGmailなどのGoogleアプリの通知には、内容に適した応答を提示する「スマートリプライ」機能がありましたが、この機能がサードパーティアプリからも利用できるようになります。
Android 8.0で導入された通知チャンネルも強化されました。通知チャンネルとは、1つのアプリの中で通知を分類するためのものです。ユーザーは、チャンネルごとに通知方法を設定できます。例えばSNSなら、直接メッセージのようなものはすぐに分かるように音を出す、他人の更新は音を出さない、といった設定が可能になります。
Android Pでは、複数のチャンネルをまとめた「チャンネルグループ」を作れます。例えば多数のチャンネルを持つアプリでは、同程度の重要度の通知チャンネルをグループにまとめられます。チャンネルグループ単位で通知をブロックすることも可能になるようです。