さまざまなツール同士を連携させて活用する際、ポータルとなるのがRedmineだ。監視ツールが障害を検知するとRedmine上にチケットを作成する、Jenkinsがテストを終えると結果をRedmineに書き込む──。このようにRedmineをポータル化することで、使い勝手が高まる上に管理漏れが減る。
実施すべきタスクをRedmineのチケットとして作成し、それを基に障害対応や開発を進めていく――。Redmine使いこなしの大原則だが、チケット作成の手間が活用の足を引っ張っているという現場は多い。今回のWebアンケート調査でもそうした結果が出ている。チケット管理・PMツールを利用している回答者に「チケット管理・PMツールの問題・課題と感じている点」を聞いたところ、最も多かった回答は「チケットなどの書き方をメンバー間で統一できない」(48.1%)。2位は「情報の入力などでチームメンバーの負荷が増える」(36.9%)だった。
こうした課題はツール同士を連携させることで改善できる。Redmineユーザーコミュニティーshinagawa.redmineの主宰者の一人、小川明彦氏は、「Hinemos」のような監視ツールとRedmineの連携を推奨する(図1)。両者を連携させることで、Hinemosが障害を検知すると、障害対応のタスクを管理するためのチケットを自動作成できる。
Redmineは、受け取ったメールからチケットを自動作成する機能を備えている。HinemosからRedmineへのメッセージ連携にこの機能を使った場合の流れは、以下の通りだ。
まず、メールサーバーにRedmineの受信アカウントを用意し、Redmineが定期的にメールを受信する設定にしておく。その上でHinemosを設定し、障害を検知すると、Redmine宛てにアラートメールを自動送信させる。これを受け取ったRedmineは、チケットを自動作成する。その際、メールの件名がチケットの「題名」に、メールの本文がチケットの「説明」として記入される。
このようにRedmineと監視ツールを連携させることで、運用担当者が監視ツールからアラートメールを受け取るたびに、Redmineのチケットを手作業で作成する手間がなくなる。利点はそれだけでない。小川氏は「チケットの自動作成によって対応漏れを減らせることが一番のメリット」という。
障害検知時にアラートメールを送る機能は、日立製作所の「JP1」のような統合運用管理ソフトはもちろんのこと、オープンソースソフト(OSS)の「Zabbix」など一般的な監視ツールは備えている。上記の連携は、Hinemosに限らず、あらゆる監視ツールで実現できる。