ULLtraDIMM SSDは、米SanDiskが開発した、DIMMスロットに挿入して利用するSSDである。サーバー向けのメインメモリーと同じ形状をしているが、SSDのディスクドライブとして動作する。書き込みまでの待ち時間(遅延時間)が、従来技術よりも10分の1~100分の1と短いのが特徴だ。
SASやSATAでは書き込みが遅い
HDDからSSDへの置き換えによって、ディスクへの書き込み速度は大幅に高速化した。その結果、今度は遅延時間が課題として浮上した。
通常、アプリケーションがディスクへの書き込み命令コマンドを実行すると、それなりの遅延時間が発生する。例えば一般的なディスク接続方法であるSAS(Serial Attached SCSI)やSATA(Serial ATA)では、数百マイクロ秒の遅延時間が発生する(図)。
サイズの大きなデータでも1度に書き込むなら、遅延時間への影響は少ない。しかし書き込みの回数が多くなると、遅延時間が積み重なって影響が大きくなる。
そこで登場したのが、PCI Express(PCIe)スロットに直結するSSDだ。アプリケーションが命令コマンドを実行してから書き込みを始めるまでの遅延時間は、数十マイクロ秒と一桁短くなった。
ULLtraDIMM SSDは、さらに遅延時間を短くするソリューションだ。PCIe直結型SSDの遅延時間が数十マイクロ秒なのに対して、ULLtraDIMM SSDは数マイクロ秒である。また、平均遅延時間と最大遅延時間の差が小さいため、性能に関するアプリケーションごとの最適化を実施しなくて済む。DIMMスロットは、PCIeに比べて空きに余裕があるサーバーが多いのも魅力の一つだ。