生体情報は、人間の肉体が発信する情報。日々の推移を記録し、変調を把握することで自ら健康を管理する意欲が高まる。社員の健康促進に活用する取り組みが始まっている。
タニタ
年間医療費を9%削減
タニタ(東京・板橋)は生体情報を収集して社員の健康意識を高めている。ソニーのICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を実装する歩数計を全社員に配布。社内の休憩スペースに読み取り装置を設置して日々の計測データをサーバーで一元管理できるようにしている。休憩スペースには血圧計や体組成計も設置してあり、計測データが自動でサーバーに送信される。社員は蓄積したデータをウェブブラウザーでチェックし、日々の健康促進に役立てる。
●タニタは社員の生体情報を集計してランキングを発表している
2009年1月に始めた取り組みだが現在も続く。持続の秘訣はイベントの実施だ。例えば歩数の多かった社員と少なかった社員を3カ月ごとに発表している。社員の健康意識が高まったことで適正体重の社員の割合が、取り組み開始前後で70%から75%に減少した。1人当たりの年間医療費も9%削減できた。