灯台下暗し――。生体情報はまさにそんな存在だった。「顔」「姿勢」「心電位」「脈波」など、誰にとっても身近な情報なのに、その存在にすら気づかれず、業務に活用されることもなかった。だが、状況は大きく変わった。生体情報をデータとして捉える解析手法やセンサー技術が、ここ数年で飛躍的に進歩したからだ。

 「顔」の情報を数値に置き換えて解析し、おもてなしの改善や接客の効率化に役立てる企業が登場。「心電位」の情報を肌着に埋め込んだセンサーで検知し、作業現場の安全管理に活用する例もある。大胆な業務改革を実現するキーパーツになる一方で、データの分析は手探りの部分も多い。ユニークな視点で生体情報を活用する事例に迫った。