およそ10カ月にわたりインサイドセールスについて連載してきましたが、今回の連載が最終回となります。2015年はマーケティングオートメーションの盛り上がりとともに、インサイドセールスというキーワードを目にすることが非常に増えました。最終回として連載を総括するとともに、インサイドセールスのROI(投資収益率)の考え方について説明します。
インサイドセールスのReturn=成果
ROIを考える際には、まずReturnとInvestmentを定義しなければなりません。ではインサイドセールスのReturnは何でしょう。一概に定義することは難しく、インサイドセールスの導入目的/適用範囲(第3回 インサイドセールスの導入ステップ参照)に応じて変わってきます。
営業活動の最終成果は売り上げ(や利益)が基本であり、インサイドセールスもその最終成果に連動したものを期待成果として求められます。インサイドセールスが受注するまでのプロセスを受け持つ場合、Returnは売り上げとなり、シンプルな計算式でROIを求められます(ROI=インサイドセールスからの売り上げ÷インサイドセールスの関連コスト)。
それでは、この連載でもたびたび出てきた「プロセス分業モデル」(図1)のROIの考え方はどうなるでしょう。
この場合のインサイドセールスの期待成果は、営業に引き渡した(ピッチした)案件の金額が定義されている場合が多くあります(第4回 インサイドセールスの運用管理の図3)。となると、インサイドセールスのROIは
と表現できます。