新しい製品やセミナーの情報、あるいは業界情報を顧客が知る手段としては、各企業から毎日のように届くメールがきっかけ(トリガー)となることが多いと言われています。メールの件名を見て関心のあるテーマだとクリックして本文を読み、さらに詳しく知りたいと思ったら、URLをクリックしてWebサイトにアクセスします。
それでは、企業はたくさんのメールをむやみに送ればいいのでしょうか?
BtoB(法人向け)営業の場合のメールは、BtoCの一般コンシューマ向けのメールとは、メールの送り方、内容がまったく異なります。たくさんのメール送りつけるのではなく、受け取り手の関心のある内容に絞って、分かり易く簡潔に伝えることが必要です。今回は、ナーチャリングにメール配信をどう活用すれば良いかのヒントをご説明します。
開封率50%以上のメールを送るには?
お会いしたことがある方からメールが届いたら、必ずメールをクリックして、最初の書きだしの部分を読みます。開封率は、ほぼ100%です。しかし、企業から送られてくる製品情報、セミナー案内などのメールになると開封率は、5~10%くらいに低くなります。この差はなぜ生じるのでしょうか?
自分に関係のないメール、売り込みのメール、読みにくいメール、ボリュームの多いメールなどは読みたくないと思っているからです。それでもお客さまは、たくさんのメールの中から、自分に必要な情報がないかをいつも探しているものです。
郵便だと、はがき1通52円かかりますが、メールであれば、大量に送ってもお金はほとんどかかりません。そうかと言って、たくさんの人に送ればそれだけビジネスにつながるかというと、それは大きな間違いでしょう。
関心のない人にいくら送っても開封率は上がらないし、もし開封されてもその内容が良くなければ、次からはその会社からのメールはもう読まれないことでしょう。
経験上、読まれるメールの送り方は次の通りです。
- メールの本文の内容にあった配信先を選ぶ(関心分野・テーマ、業種、所属部署、役職など)。
- メールの内容は、1~2件に絞る(たくさんあるときは、目次、件数を表記する、最大でも5件以内にする)。
- 読みやすく、簡潔に書く(詳しい説明は、Webサイトで)。
- 配信元を個人名にする(配信元が誰なのかを明記した方が受け取った人は安心する)。
- オプトアウトを恐れない(メールの受信拒否は、見込み顧客データの精度が上がると考える)。
開封率を上げる、Webサイトへの誘導率を上げる、さらには申し込みや問い合わせなどのコンバージョン率を上げるためには、メールを受け取る方の関心のある内容を書くことです。このため、配信先を選ぶことが必要なのは言うまでもありません。内容を絞らないと、何が言いたいのかが伝わりにくくなります。このため、内容は絞れるだけ絞った方がよいでしょう。また、メールに限りませんが、読みやすく、簡潔に書くことを心がけます。タイトルは興味を引くものになっているか、敬語や謙譲語の使い方は正しいかをチェックすることも忘れずに。配信元は個人名にした方が、安心感が違います。また、個人名にすることで、個性のある文章にすることもできますので、親近感が沸きやすくなります。