クラウドやモバイルなどが急速に企業ITに浸透していくなかでも、ユーザーが快適にITを活用して業務を推進できるプラットフォームを構築し、維持するにはどうしたらよいのか―。

 そこで、2014年7月2日水曜日、ITpro Activeはリバーベッドテクノロジーと共同で、「アプリケーションパフォーマンスフォーラム~いつでもどこでも快適に使えるITを目指して」を開催した。会場では、急速に立ち上がりつつある新たなビジネス要件にも対応できるITインフラの実現に向けた製品やソリューションのほか、導入事例が多数、紹介された。

会場の様子と、リバーベッドテクノロジー執行役社長の大須賀雅憲氏<br>撮影:後藤 究(6ページまで)
会場の様子と、リバーベッドテクノロジー執行役社長の大須賀雅憲氏<br>撮影:後藤 究(6ページまで)
会場の様子と、リバーベッドテクノロジー執行役社長の大須賀雅憲氏
撮影:後藤 究(6ページまで)

 リバーベッドテクノロジーの大須賀雅憲社長による挨拶に続き、基調講演にはIDC Japanの草野賢一氏が登壇。「アプリケーションパフォーマンスを最適化するネットワークの未来形」と題して、企業におけるネットワークのあるべき姿を提起した。続く9本のソリューション講演では、リバーベッドテクノロジーやそのパートナー企業が、自社製品の特徴や導入事例を披露した。

基調講演
新たな変革を受け入れ活かすためのネットワーク構築が必須に

 「メインフレーム、クライアント/サーバー、インターネットに続く潮流として、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドが台頭している。企業は新たな変革を受け入れ活かすためのネットワークを構築しなければならない」。IDC Japanの草野氏は基調講演の冒頭、新しい要件を満たすネットワーク基盤の必要性を訴えた。

IDC Japan コミュニケーションズ リサーチ マネージャー 草野 賢一氏
IDC Japan コミュニケーションズ リサーチ マネージャー 草野 賢一氏

 草野氏は、ネットワークの新しいビジネス要件について、「クラウドの利用や新たなサービス提供を前提としたネットワークを構築し、事業の変化に追随できる迅速性と、予想外の変化にも柔軟に対処できる適応性を実現すること」と提起した。

 その実現にあたっては、「ソフトウエアでネットワークを制御するSDN(Software Defined Networking)が1つの解になる」と指摘。クラウドの急速な台頭を引き金に、SDNによるネットワークを構築するデータセンターが増えている現状から、「サーバー、ストレージに加えネットワークも仮想化しインフラ全体を柔軟なものにしようという動きが加速している」と述べた。

 とはいえ、SDN関連の市場はまだメジャーとは言えない。だが、草野氏は「SDNの利用はデータセンターなど一部の事業者に留まっているが、今後は高い成長率を見込んでいる。企業はSDNでどのようにネットワークを構築すべきか、今のうちに検討しておく必要がある」と、アドバイスした。

約7割の企業が通信環境に「課題あり」と認識

 企業はクラウドやモバイルなどの活用に備え、アプリケーションを十分高速に配信するネットワークをどう構築すべきか。現実に、海外のデータセンターで提供されることも多いSaaSで十分なパフォーマンスを確保できるのか、外出先のモバイル端末からも社内のPCと同様にアクセスできるのか、といった課題に直面する企業は今後増える。

 草野氏が指摘するのは、クラウド経由で利用するアプリケーションを強く意識することの重要性だ。「当社の調査では、約7割の企業がデータセンター/クラウドと端末間の通信環境に課題があると感じている。アプリケーションのレスポンスを改善するネットワーク基盤の構築は、喫緊の課題」と指摘した。

 最後に、複雑さを増しつつあるネットワーク管理の問題についても言及。「サーバー仮想化でネットワークは複雑になり、運用管理も難しくなった。運用管理ツールが統一されていなかったり、管理対象が不明瞭なまま運用しているケースは少なくない。ネットワークを含めたシステム全体を管理する体制を作り、負担を軽減する取り組みが必要」(草野氏)と締めくくった。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。