米RealNetworksの「SAFR」は、認証精度の高さをうたう顔認証ソフトである。アプリケーションと連携させることによって、マーケティングや入退室管理などに利用できる。ライセンスは、月額制(カメラ単位で月額固定)のクラウドサービスのほか、オンプレミスで利用できる売り切り型がある。日本国内ではネットワンパートナーズが販売する。

SAFRのソフトウエア構成
SAFRのソフトウエア構成
(出所:ネットワンパートナーズ)
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトウエアは、カメラ映像から顔画像を検知して切り出し、サーバーに送信する顔検知ソフト(Linux、Windows、Mac、iOS)と、顔検知ソフトが送ってきた顔画像が誰なのかを判定するサーバーソフト(Windows、Mac、クラウド)の2つで構成する。顔検知ソフトからサーバーへの通信や、サーバーから外部システムへの連携は、REST APIで行う。

 大きく6つの利用シーンを想定する。(1)ヘルスケア(調剤薬局の入退室管理)、(2)小売店舗(顧客を判別)、(3)工場(動線の分析)、(4)オフィス(入退室管理)、(5)幼稚園・学校(施設への立ち入り時の認証)、(6)民泊・ホテル(顔認証による鍵の代替)、である。

 SAFRの特徴は、顔認証の精度の高さをうたっていることである。米RealNetworksは、一般消費者向けサービスで動画を友人や家族と共有できる「RealTimes」で収集した大量の顔情報を持っている。これを利用して精度の高い顔認証エンジンを開発したとしている。

 光の状態が悪い画像や、顔の一部が隠れている画像、正面を向いていない画像など、実際に現場で顔認証を実施する際の現実的な状況の下でも、高精度で認証できるとしている。米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した「Face Recognition Vendor Test(FRVT) 1.1」のFaces in the Wildテスト(実環境下における顔画像データセット)で、参加企業の全82個のアルゴリズム中で7位だった。

 目、鼻、口の2つが写っていれば認証できる(サングラス姿でも認証できる)。認証に必要な顔画像のピクセル数は80×80ドット程度。写真を使った成りすましを防ぐため、笑顔を認識する機能なども備える。QRコードと顔を一緒にカメラに写して2つの要素で認証することも可能。性能面では、何百万件の顔データが登録してあっても、1秒以内で判定するとしている。

SAFRの概要
用途と機能顔認証ソフト。アプリケーションと連携させることによって、マーケティングや入退室管理などに利用できる
提供形態月額制(カメラ単位で月額固定)のクラウドサービスのほか、オンプレミスで利用できる売り切り型がある
主な利用シーン■ヘルスケア(調剤薬局の入退室管理)
■小売店舗(顧客を判別)
■(3)工場(動線の分析)
■(4)オフィス(入退室管理)
■(5)幼稚園・学校(施設への立ち入り時の認証)
■(6)民泊・ホテル(顔認証による鍵の代替)
特徴顔認証の精度の高さをうたっている。一般消費者向けサービスで動画を友人や家族と共有できる「RealTimes」によって収集した大量の顔情報を利用して、精度の高い顔認証エンジンを開発したとしている
実環境下での
認識精度
光の状態が悪い画像や、顔の一部が隠れている画像、正面を向いていない画像など、実際に現場で顔認証を実施する際の現実的な状況の下でも、高精度で認証できるとしている。目、鼻、口の2つが写っていれば認証できる(サングラス姿でも認証できる)
価格(税別)オープン。売り切り型とクラウド型がある。クラウド型の場合、カメラ当たり月額2万3600円
発表日2018年11月6日
提供開始日2018年11月6日
備考価格と発表日/提供開始日は販売代理店であるネットワンパートナーズのもの