指静脈などの生体情報が使える公開鍵認証基盤

　日立ソリューションズの「Biometric Signature Server」は、指静脈などの生体認証情報を利用した、PKI（公開鍵暗号基盤）サーバー製品である。PKIのキーペア（公開鍵と秘密鍵）を、ユーザーの指静脈などの生体情報から生成する仕組みである。これによりユーザーは、秘密鍵を管理する必要がなくなる。自身の生体情報から都度秘密鍵を生成し、認証や署名に利用できる。

「Biometric Signature Server」の概要

（出所：日立ソリューションズ）

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　要素技術として、生体情報から都度秘密鍵を生成できる日立製作所の独自技術「公開型生体認証基盤（PBI）」を使う。PBIを成立させているポイントの1つは、誤り訂正符号によって生体情報の「揺らぎ」を補正していること。従来の技術では揺らぎが原因で一意な鍵を生成できなかったが、補正によって生体情報から鍵を抽出できるようにした。

　サービス事業者から見たPBIのメリットは、生体情報を管理しなくてよいことや、広い用途で生体認証を利用できるようになること。エンドユーザーから見たメリットは、秘密鍵を管理するUSBメモリーなどの物理媒体が不要となることで、手ぶらで決済や電子署名などが可能になることである。秘密鍵を紛失するリスクもない。

　製品化の第1弾ではまず、生体情報として指静脈を利用できるようにした。日立ソリューションズも、指静脈認証システム「静紋シリーズ」を提供している。