ラネクシーの「CloudDataBank」は、オンプレミスに設置するNAS装置でありながらデータをクラウドストレージ「Amazon S3」に保存するようにしたゲートウエイ製品である。Amazon S3を高速に利用するためのデータキャッシュとして機能する。NAS装置をレンタル型で貸与し、ストレージ容量に応じた月額制のサービスとして提供する。
CloudDataBankでは、Amazon S3のゲートウエイとなるNASヘッド装置をオンプレミスに設置する。社内LAN上のパソコンや業務アプリケーションからはWindowsファイルサーバー(CIFS)としてファイルアクセスし、裏ではAmazon S3にデータを格納する仕組み。同機能を持つソフトウエアを米IntelのNUC規格に準拠した小型パソコンにインストールしてアプライアンス化して提供する。
このNASヘッド装置は、CIFSのマウントポイント(ストレージ容量は契約に依存)を提供するとともに、ファイルデータのキャッシュ機能を提供する。ローカルストレージとして容量120GバイトのSSD(ソリッドステートドライブ)を内蔵しており、この領域をキャッシュとして利用する(OSやソフトウエアの保存領域を兼ねる)。直近にアクセスしたファイルはキャッシュ上に置かれるため、Amazon S3上に実体があるにも関わらず高速にファイルにアクセスできる。
ファイルデータをAmazon S3に保存する際には、ファイルの圧縮、分割、暗号化も実施する。分割では、容量の大きなファイルを1Kバイト程度の小さな欠片ファイルに分割し、それぞれを暗号化して保存する。これによりセキュリティを確保している。NASヘッド装置とAmazon S3の間の通信はインターネット上のHTTPS(SSL)である。
用途と機能 | Amazon S3のゲートウエイとなるNASヘッド装置を、ストレージ領域とともに月額制で提供する |
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特徴 | NAS装置はCIFSのマウントポイントを提供するとともに、ファイルデータのキャッシュ機能を提供する。キャッシュ用にローカルストレージとして容量120GバイトのSSDを搭載する |
セキュリティ機能 | ファイルデータをAmazon S3に保存する際に、ファイルの圧縮、分割、暗号化を実施する |
価格(税別) | ■初期費用(設定費用その他):10万円 ■運用費用: 1Tバイト:月額5万円(1Gバイト当たり50円) 3Tバイト:月額7万円(1Gバイト当たり23.3円) 5Tバイト:月額9万円(1Gバイト当たり18円) |
発表日 | 2014年10月23日 |
提供開始日 | 2014年11月 |