米Code Systemsの「Spoon」は、アプリケーション仮想化ソフト(ポータブル化ソフト)である。本来はインストールが必要なアプリケーションを、OSと切り離してポータブル化する。レジストリーやファイルシステムを仮想化した環境とともに、アプリケーションを単一の実行形式ファイルに固める仕組み。ポータブル化したアプリケーションは、USBメモリーなどで持ち込んで、そのまま実行できる。
Spoonを応用すると、Windows XPやWindows Server 2003などの旧式OSの上でなければ動作しないアプリケーションを最新のWindows OSの上で動作させることができる。この理由は、ポータブル化によって、異なるバージョンのWebブラウザーやオフィスソフトなどを、単一のOSの上でDLLを競合させることなく同時に利用できるからである。
Spoonが提供する機能は、市場で著名なアプリケーション仮想化ソフト「VMware ThinApp」と同等である。SpoonとVMware ThinAppの両ソフトを国内で販売している双日システムズによると、ThinAppと比べた主な違いは、1ユーザー単位で細かくライセンスを拡張できるなど、ライセンス体系が柔軟になっていることである。
Spoonのライセンスのメリットとして双日システムズは、自社開発のパッケージソフトをポータブル化する例を挙げる。パッケージソフトをThinAppでポータブル化して外販する場合、パッケージソフトを購入して実行するユーザー企業ごとにThinAppの基本パッケージライセンス(約100万円)が必要になる。これに対してSpoonでは、実行ライセンスを複数の企業に分散して配布できる。100社で1社当たり2ユーザーの場合、実行ライセンスは200ユーザー分(144万円)で済む。
パッケージ外販事業者ではないユーザー企業においても、Spoonの方がThinAppよりもライセンス体系が柔軟である。ThinAppの最小構成は実行ライセンス50ユーザーで、100ユーザー単位で追加しなければならない。これに対してSpoonの最小構成は25ユーザーで、1ユーザー単位で追加できる。
用途と機能 | 本来はWindowsへのインストールが必要なアプリケーションを、インストールしなくても使える形に変換するソフト |
---|---|
提供形態 | ソフトウエア |
参考価格(税別) | ■パッケージ作成ライセンス: 72万円 ■実行ライセンス: 1ユーザー当たり7200円(最小購入数は25ユーザー) |
発表日 | 2014年8月4日 |
出荷日 | 2014年8月4日 |
備考 | 発表日/出荷日と価格は販売代理店である双日システムズのもの |