デルの「Dell-Nexentaストレージ・アプライアンスNDシリーズ」は、SDS(ソフトウエアデファインドストレージ)ソフトウエアを同社の汎用PCサーバー機と組み合わせてアプライアンス化した製品である。これまでアセンテックが企画・販売してきた同種のアプライアンスを、今回デルが自社ブランドに取り込み、デルの検証とサポート込みで提供する。
NDシリーズは、デルのストレージラインアップを拡充する。SDSと汎用PCサーバーをベースとしたことによって、専用のストレージ装置と比べて初期導入費用や拡張費用を低く抑えられる、としている。性能や容量などの諸元はハードウエア構成によるが、バックアップ/アーカイブ用途などのように性能や可用性をあまり要求しない用途を含め、広範な用途をカバーする。
SDSソフトとして、米Nexenta Systems(日本法人はネクセンタ・システムズ・ジャパン)の「NexentaStor」を利用する。中核部分は、オープンソースのUNIX系OS「illumos」(旧Open Solaris)のカーネルとZFSファイルシステムである。サーバー機からはSAN/NAS統合ストレージとして利用できる。この上で、スナップショット/クローニング、ブロック/ファイルのレプリケーション、インライン重複排除、運用管理機能など、各種のストレージ機能を提供する。
NexentaStorを動作させてストレージコントローラーとするハードウエアには、ラックマウント型PCサーバー機「Dell PowerEdge R730」を採用。コントローラーは、2台をHA(高可用性)構成で使う。データを格納するHDDやSSDなどのドライブは、JBOD(RAID機能は持たないが、複数ドライブを束ねて一つの巨大なドライブとして利用できるようにした装置)の「Dell Storage MD1400」をSASで接続する。
JBOD側には、SAS接続の半導体メモリードライブ「ZeusRAM」を搭載。NexentaStorは、これをHDD/SSDに対するキャッシュ(リード/ライト)として利用する。ZeusRAMは、メインメモリーにも使われる高速な揮発性メモリーであるDRAMを搭載し、これをSASインタフェースでアクセスできるようにしたドライブ。ZeusRAMにはDRAMのほかにSSDも内蔵しているが、SSDは停電時など電源が切れた場合のDRAMデータのバックアップ用であり、DRAMだけがキャッシュ機能を提供する。
NDシリーズは、物理容量に応じて、44Tバイトの「ND-44」から、960Tバイトの「ND-960」まで、全6モデルを用意した。実売価格(税別)は、HA構成(2ノード)で3年分の保守費込みで、以下の通り。
モデル名 | 物理容量 | 価格(税別) |
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ND-44 | 44Tバイト | 960万円から |
ND-88 | 88Tバイト | 1340万円から |
ND-176 | 176Tバイト | |
ND-224 | 224Tバイト | 2690万円から |
ND-456 | 456Tバイト | |
ND-960 | 960Tバイト | 5780万円から |
用途と機能 | SDS(ソフトウエアデファインドストレージ)ソフトウエアを同社の汎用PCサーバー機と組み合わせてアプライアンス化したストレージ装置 |
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搭載するSDSソフト | 米Nexenta Systemsの「NexentaStor」 |
SDSソフトの特徴 | SAS接続の半導体メモリードライブをHDD/SSDに対するキャッシュ(リード/ライト)として利用し、高速化を図っている |
ベースとなるPCサーバー | ラックマウント型PCサーバー機「Dell PowerEdge R730」 |
特徴 | SDSソフトを導入したPCサーバーを、デルの検証とサポート込みで提供する |
ストレージの種類 | SAN/NAS統合ストレージ |
主なストレージ機能 | スナップショット/クローニング、ブロック/ファイルのレプリケーション、インライン重複排除、運用管理機能など |
価格(税別) | 960万円から |
発表日 | 2015年8月4日 |
出荷日 | 2015年8月4日 |