博報堂とTISが共同開発した「AIブレストスパーク」は、企画などのアイデア出しをAI(人工知能)で支援するクラウドサービス。アイデアやコンセプトの切っ掛けとなるキーワードを入力すると、キーワードの関連語をインターネットから収集して組み合わせ、新たな切り口や視点としてユーザーに提示する。

AIブレストスパークのメイン画面
AIブレストスパークのメイン画面
(出所:博報堂、TIS)
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 アイデアの拡散は、人力では相当の時間を必要とする。AIブレストスパークでは、俯瞰情報やコトバ同士の“意外接着”(予想外の単語の組み合わせ)によって発想を増幅する。これによって人間の創造力を高める。

 背景には、アイデアを必要とする機会が増えている一方で、働き方改革によって労働時間が減っている状況がある。このため、業務時間外に1人でブレインストーミングを実施している企画担当者が数多く存在している。

 AIブレストスパークの開発にあたっては、博報堂が持つ広告会社の発想法や打ち合わせノウハウ「博報堂発想支援メソッド」を利用した。これらを5つの機能にまとめて、ユーザーインタフェースに搭載。(1)ひらめきマップ、(2)ブレストアイデア、(3)ノート、(4)他人の“アタマ”で考える、(5)連続刺激モード、である。

 中核となる博報堂発想支援メソッドは、新しい価値を発見したり、従来の延長線上にはない答えにたどり着けるように、博報堂のクリエイティブの打ち合わせ現場で実践しているコツを抽出した方法論である。博報堂のクリエイターが最初に学ぶ発想のABCであり、クリエイティビティの基礎となるノウハウである。

AIブレストスパークの概要
用途と機能企画などのアイデア出しをAI(人工知能)で支援するクラウドサービス。アイデアやコンセプトのキッカケとなるキーワードを入力すると、キーワードの関連語をインターネットから収集して組み合わせ、新たな切り口や視点としてユーザーに提示する
要素技術博報堂が持つ広告会社の発想法や打ち合わせノウハウ(博報堂発想支援メソッド)を利用した。これらを、(1)ひらめきマップ、(2)ブレストアイデア、(3)ノート、(4)他人の“アタマ”で考える、(5)連続刺激モード、の5つの機能にまとめた
博報堂
発想支援
メソッド
■ひらめきマップ(入力したキーワードに共起する関連語を瞬時に表示し、取り巻く市場や生活者に関する情報・ヒントを大量に提供する。ひらめきの土台として、脳内を気になるワード/フレーズで充満させる)
■ブレストアイデア(ひらめきマップやテンプレートのコトバとコトバをランダムに結合することで、新しい概念を生成する。予想外の新しい切り口のコトバにふれることで、思考の枠を揺らされ発想が跳躍し、意外なコトバの結合が生む新しい価値に着目できる)
■ノート(少しでも気になったコトバやブレストアイデアを、どんどんドラッグして保存できる。思いついたこともテキスト機能で書き留められる。全画面表示で、採集した言葉を、分類し俯瞰できる。これにより、自分の思わぬ指向・偏りに気づく)
■他人の“アタマ”で考える(作詞家アタマ、女子高生アタマ、ビジネスアタマ、社会課題アタマなど、他人の考え方を借りて発想できる。自分にはない着眼点に立つことで、商品やサービスの隠れたメリットや存在意義を発見できる)
■連続刺激モード(ブレストアイデアのワードやフレーズを1行ずつ画面いっぱいに連続表示し、発想を刺激する。直観による判断が要請され、発想のジャンプを強制触発する)
価格
(税別)
1ユーザーあたり月額7500円
発表日2019年6月3日
提供開始日2019年7月1日