日本ワムネットの「DIRECT! EXTREME(ディレクト エクストリーム)」は、クラウド型で動作する大容量ファイル転送サービスである。クラウドがファイル送受信のハブとなり、ファイル送信者がクラウドにファイルをアップロードし、ファイル受信者がクラウドからファイルをダウンロードする仕組み。
サービスのアーキテクチャは、クラウド上に私書箱を用意するイメージになる。同サービスのユーザー同士、つまりクラウド上に私書箱を持つユーザーから私書箱を持つユーザーに対してのみ、ファイルを送ることができる。送信できるファイルの最大サイズは2Tバイトで、1度に送れるファイル数に制限はない。
使い方は2つある。Webブラウザを使ってHTTP/TCPでファイルを転送する「通常モード」と、専用クライアントソフトを使ってUDPでファイルを転送する「高速モード」である。通常モードはSSLを使い、高速モードはクライアントソフトがAESで暗号化する。
高速モードの1番のメリットは、専用クライアントソフトのインストールが必須となるが、ファイルを高速に転送できることである。日本ワムネットが実施した容量1Gバイトのデータ転送実験では、HTTP/TCPを使う既存サービスが173秒、DIRECT! EXTREMEの高速モードは22秒だった。
高速モードでは、オンザフライ型のファイル転送ができる。ファイルのアップロードが終わらないうちに、クラウド上に溜まったデータがダウンロード可能なサイズになり次第、ダウンロードを開始できる。ダウンロードが可能になった旨をクラウドから受信者のクライアントソフトに通知する仕組み。
オプションで、ファイルの送受信にともなう処理を自動化するツールを提供する。クライアントソフトと組み合わせて使う。例えば、受信したファイルを別のディレクトリに格納したり、受信したファイルをネットワークプリンタで印刷したりといった処理を自動化できる。
用途と機能 | 大容量ファイル転送サービス | ||
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提供形態 | SaaS型クラウドサービス | ||
アーキテクチャ | クラウドをハブにしてファイルを受け渡す。送信者がクラウドにファイルをアップロードし、受信者がクラウドからファイルをダウンロードする。ファイルを送受信できるのは、クラウドのユーザー同士に限る | ||
最大ファイルサイズ | 2Tバイト | ||
使い方 | ■通常モードは、Webブラウザでクラウドにアクセスし、HTTP/TCPでファイルを転送する。SSLで通信を暗号化する ■高速モードは、専用クライアントソフトでクラウドにアクセスし、UDPでファイルを転送する。オンザフライ型のファイル転送ができる。専用クライアントソフトがAESで通信を暗号化する | ||
オプション | ファイル送受信にともなう処理を自動化するツールを用意している。高速モードで使う専用クライアントソフトと組み合わせて使う。これにより例えば、受信ファイルを別ディレクトリに保管するといった処理を自動で実行できる | ||
クラウド基盤 | Microsoft Azure | ||
プラン名 | EXTREME50 | EXTREME100 | EXTREME500 |
月間転送量 | 50Gバイト | 100Gバイト | 500Gバイト |
初期費用 | 5万円 | ||
月額費用 | 3万円 | 5万円 | 20万円 |
発表日 | 2017年6月22日 | ||
提供開始日 | 2017年8月 | ||
備考 | 月間転送量1Tバイトを超えるプランも用意している |