NEC通信システムの「NECオンデマンド型無線ネットワーク」は、広域に配置したIoTセンサーのデータを低消費電力で効率よく収集するためのシステム製品である。センサーを接続するIoTデバイス、IoTデバイスを束ねるIoTゲートウエイ、IoTゲートウエイと通信して機器を管理する運用保守サーバー、で構成する。
省電力を実現する仕組みとして、IoTデバイスのデータ通信に適した無線規格で、低消費電力かつ長距離通信ができる920MHz帯(サブギガ帯)を使う。さらに、IoTデバイスでは、通信機会が発生するまで低消費電力で常時待ち受けする仕様を採用。要求があった時のみ動作することで、1日数回の通信の場合、内蔵電池で約2年間の連続稼働を実現したとしている。
IoTデバイスを起動させる無線信号は、独自のフレーム長変調方式で実現。IoTデバイスは、この無線信号を受信した時のみ無線通信を行い、通信終了後は再度待機状態になる。これを応用すると、任意のタイミングでIoTデータを収集できる。例えば、巡回中の点検者などが歩いて対象物に接近したことを契機にIoTデバイスを起動させてデータを収集できる。
IoTデバイス間を無線のマルチホップでつなぐこともできる。これにより、通信可能エリアを拡張できる。最大20ホップの通信によるデータ収集ができる。
NECオンデマンド型無線ネットワークの概要
用途と機能 | IoTセンサーデータを省電力で収集するためのシステム製品 |
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特徴 | ■IoTデバイスとIoTゲートウエイの通信に920MHz帯の無線を使うことによって、省電力化を実現 ■起動用の無線信号を受信した時のみ無線通信を行い、通信機会が発生するまでは低消費電力で常時待ち受けする仕様によって、IoTデバイスの省電力化を実現 |
データ収集のタイミング | IoTデバイスを起動するための無線信号を利用することによって、巡回中の点検者などが歩いて対象物に接近したことを契機にIoTデバイスを起動させてデータを収集するといった使い方ができる |
構成要素 | ■IoTデバイス(センサーを接続して使う。IoTゲートウエイとの間は920MHz帯の無線で通信する) ■IoTゲートウエイ(IoTデバイスが収集したデータを920MHz帯の無線で受信し、これを運用保守サーバーに転送する) ■運用保守サーバー(IoTデバイスの機器管理をLAN/WANを介して行う) |
活用例 | ■鉄道設備や電力設備などの社会インフラ領域の点検・監視(車両などで移動しながらセンサデータを収集できるので、保守点検業務の効率化が実現できる) ■プロセス工場や組立工場などのファクトリ領域の点検・監視(回点検が困難なエリアでも、設備に設置したデバイス間をマルチホップでつなぐことで、リモートからでも一括でデータ収集ができる) |
価格 | 個別見積もり |
発表日 | 2017年6月19日 |
出荷日 | 2017年6月19日 |