NTTドコモの「docomo IoT製造ライン分析」は、製造現場の生産性を改善するIoTサービスである。製造機械に取り付けた加速度センサーで振動を計測し、機械の稼働状況を可視化する。中小製造業に向いており、コンサルタントが課題を特定して改善策を提案するサービスも提供する。

docomo IoT製造ライン分析の概要
docomo IoT製造ライン分析の概要
(出所:NTTドコモ)
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 サービスの利用にあたっては、機械の稼働データを収集するためのキットを現場に導入する必要がある。製造機械に加速度センサーを取り付けて、IoTゲートウエイを介して稼働データをクラウドに送信する。加速度センサーの大きさは、約3cm四方で、重さは約10g。

 クラウド側では、稼働状況を可視化して分析するアプリケーションが稼働する。これにより例えば、生産数量の目標と実績を可視化できる。機械の稼働時間を可視化して工程間の稼働時間を比べれば、ボトルネックとなっている工程を特定できる。短時間の停止の繰り返し(チョコ停)や長時間の停止(ドカ停)などの発生時間と回数も把握できる。

 サービスの開始にあたってNTTドコモは、中小製造業で実証実験を実施した。薬品メーカーでは、製造機械の生産数量や稼働状況の分析を通じ、生産能力が約10%向上した。自動車関連部品メーカーは、人が機械の稼働率を計測した値と比べて、実際の稼働率が約20%低いことが判明した。

docomo IoT製造ライン分析の概要
用途と機能製造現場の生産性を改善するIoTサービス。コンサルタントが課題を特定して改善策を提案するサービスも提供する
想定ユーザー中小の製造業
仕組み製造機械に取り付けた加速度センサーで振動を計測し、機械の稼働状況を可視化する
初期導入サービスの利用にあたっては、機械の稼働データを収集するためのキットを現場に導入する必要がある。製造機械に加速度センサーを取り付けて、IoTゲートウエイを介して稼働データをクラウドに送信する。加速度センサーの大きさは、約3センチメートル四方で、重さは約10グラム
クラウド側のソフトクラウド側では、稼働状況を可視化して分析するアプリケーションが稼働する。これにより例えば、生産数量の目標と実績を可視化できる。機械の稼働時間を可視化して工程間の稼働時間を比べれば、ボトルネックとなっている工程を特定できる。短時間の停止の繰り返し(チョコ停)や長時間の停止(ドカ停)などの発生時間と回数も把握できる
実証実験の
結果
■薬品メーカーでは、製造機械の生産数量や稼働状況の分析を通じ、生産能力が約10%向上した

■自動車関連部品メーカーは、人が機械の稼働率を計測した値と比べて、実際の稼働率が約20%低いことが判明した
価格(税別)■センサー数が5個の場合、初期費用(稼働データ収集キット、および設置作業費)が25万円、クラウド上で稼働する稼働可視化・分析システムの利用料が月額3万円

■センサー数が10個の場合、初期費用が40万円、稼働可視化・分析システムの利用料が月額5万円
発表日2019年4月8日
提供開始日2019年4月8日