デルの「Dell Hybrid Cloud System for Microsoft」は、パブリッククラウドのMicrosoft Azureと同等の操作性で利用できる、プライベートクラウド構築用の垂直統合システムである。米Microsoftが策定したクラウド構築用サーバー規格「Cloud Platform System Standard」(CPS Standard)に準拠している。
最大の特徴は、Windows Azure Packと呼ぶ、Azureと操作性に互換性のあるクラウド運用ソフトを搭載していること。Azureのメニューに合わせたVM(仮想サーバー)のテンプレートも用意した。オンプレミスに設置したCPS StandardとAzureとの間で仮想サーバーを移動する使い方もできる。
Azure Packがあれば自前でシステムを組んでもAzure同様のクラウド環境を構築できるが、デルが提供する製品では、動作を検証済みのシステム構成で、なおかつ構築済みの形で提供する。「設置から3時間でクラウド環境が整う」(デル)としている。
システムは、米Dell製のサーバー/ストレージ/ネットワークスイッチをラックに搭載し、OSとしてWindows Server 2012 R2(サーバー仮想化ソフトはHyper-V)、クラウド運用ソフトとしてAzure Packを導入/設定済み。
サーバーには「Dell PowerEdge C6320」を採用した。同機種は、高さ2Uに4台の独立したサーバーノードを搭載する。収容できる仮想サーバーの規模は、システム構成に応じて100台から400台。「Sモデル」(サーバー1台、4ノード、仮想マシン100台)、「Mモデル」(サーバー2台、8ノード、仮想マシン200台)、「Lモデル」(サーバー4台、16ノード、仮想マシン400台)、の3タイプを用意した。
ストレージは外付けで、Windowsが標準で搭載する仮想ストレージ機能「Microsoft Storage Spaces」と、SAS接続型DASストレージを組み合わせた。フロントエンドに仮想ストレージ装置として「Dell PowerEdge R730」を2台(冗長化)置く。この背後にDASストレージ「Dell PowerVault MD 1400/1420」を置いた。DASが搭載するSSDとHDDを自由に束ねてボリュームを構成し、SSDとHDDを階層型で利用できる。
用途と機能 | パブリッククラウド構築用の垂直統合システム | ||
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機能面の特徴 | クラウド運用ソフト「Windows Azure Pack」によって、オンプレミスに設置するプライベートクラウド用のシステムでありながら、パブリッククラウドのMicrosoft Azureと同等の使い勝手で仮想サーバーを調達できること | ||
製品面の特徴 | ハードウエア(サーバー/ストレージ/スイッチ)やソフトウエア(OS/クラウド運用ソフト)を、検証済みの構成で、構築済みのアプライアンスの形で出荷すること。設置してから3時間でクラウド環境が利用できるようになるとしている | ||
システム構成の特徴 | ストレージとして、Windowsが標準で搭載する仮想ストレージ機能「Microsoft Storage Spaces」と、SAS接続型DASストレージを組み合わせている。これにより、ストレージ装置側に機能を実装することなく、OS側の標準機能だけで、SSD/HDDが混在した階層型のストレージボリュームを運用できるようにしている | ||
モデル | Sモデル | Mモデル | Lモデル |
PCサーバー台数 | 1 | 2 | 4 |
サーバーノード数 | 4 | 8 | 16 |
収容する仮想サーバー台数 | 100 | 200 | 400 |
価格(税別) | 3200万円 | - | |
発表日 | 2016年4月5日 | ||
出荷日 | 2016年4月5日 |