アズムの「AZ Desktop Cloud Platform」は、シンクライアント端末とアクセス先の仮想デスクトップを結び付けるシンクライアント管理ソフトの新製品として、ユーザー認証手段としてICカードを使えるようにした製品である。シンクライアント端末に接続したICカードリーダーにICカードを挿入するだけで、どこからでも自分のデスクトップ環境を呼び出せる。
利用しているシンクライアント製品群は、いずれもカナダのTeradiciが開発したもの。具体的には、Teradiciが開発したシンクライアントプロトコル「PCoIP(PC over IP)」を利用可能なシンクライアント製品、仮想デスクトップ側に導入するエージェントソフト、シンクライアント端末とアクセス先の仮想デスクトップを結び付けるシンクライアント管理ソフト、などで構成する。
アズムは、ICカードでユーザー認証を実施するための前提として、Teradiciに掛け合い、ICカードを利用できるようにTeradiciのシンクライアント端末を強化してもらった形である。さらに、シンクライアント端末とアクセス先の仮想デスクトップを結び付けるシンクライアント管理ソフトをアズムがカスタマイズし、ユーザー認証手段としてICカードを利用できるようにした。
アズムがTeradiciに掛け合ってICカードに対応してもらったシンクライアント端末とは、PCoIPの処理に特価した専用チップセット「Teradici Tera2」を搭載した専用ハードウエア型のシンクライアント端末。汎用CPUと汎用OSを組み合わせたパソコンベースのシンクライアントとは異なり、シンクライアントに必要な機能を専用のハードウエアチップとファームウエアで実現している。バージョン5.4.1以降のファームウエアでICカードを利用できる。
Teradiciが開発したシンクライアントプロトコル、PCoIPの特徴は、ネットワーク帯域や遅延に応じて動画の解像度を落とすなど、ユーザーの体感上の画面操作性やレスポンスを高めることに注力していること。VDI(デスクトップ仮想化)ソフトの「VMware Horizon」(旧VMware View)が以前から採用しており、2013年からはDaaSサービスの「Amazon WorkSpaces」も採用している。
ユーザー認証時の大まかな動きはこうだ。シンクライアント端末からコネクション管理ソフトにアクセスする。コネクション管理ソフトは、端末とデスクトップの割り当てを管理するブローカーソフトにアクセス先を聞く。ブローカーソフトはアズムがカスタマイズしてあり、ICカードの認証情報を取得するようにコネクション管理ソフトに伝える。こうして入手した認証情報で認証し、最終的にシンクライアント端末は仮想デスクトップに直接接続する。
用途と機能 | シンクライアント端末とアクセス先の仮想デスクトップを結び付けるシンクライアント管理ソフト |
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特徴 | ユーザー認証手段としてICカードを使えること。シンクライアント端末に接続したICカードリーダーにICカードを挿入するだけで、どこからでも自分のデスクトップ環境を呼び出せる |
システム構成 | ■シンクライアントプロトコル「PCoIP(PC over IP)」を利用可能なシンクライアント端末 ■仮想デスクトップ側に導入するエージェントソフト ■シンクライアント端末とアクセス先の仮想デスクトップを結び付けるシンクライアント管理ソフト など。いずれもカナダのTeradiciが開発 |
シンクライアントプロトコルPCoIPの特徴 | ネットワーク帯域や遅延に応じて動画の解像度を落とすなど、ユーザーの体感上の画面操作性やレスポンスを高めることに注力していること VDI(デスクトップ仮想化)ソフトの「VMware Horizon」が以前から採用しており、2013年からはDaaSサービスの「Amazon WorkSpaces」も採用している |
参考価格(税別) | 5年間使う場合に、1ユーザー当たり7万560円。コネクション管理やブローカー機能、ライセンス管理などのシンクライアント管理ソフト一式、シンクライアント端末側のソフトウエアライセンス、仮想デスクトップ側に導入するエージェントソフト、サポートなどが含まれる。シンクライアント端末は別途必要になる |
発表日 | 2017年2月24日 |
出荷日 | 2017年1月 |