Arcserve Japanの「Arcserve Unified Data Protection v6.5」(Arcserve UDP v6.5)は、中小規模の企業情報システムに向いた多機能型のイメージバックアップソフトである。OSを含めてシステムイメージを丸ごとブロックレベルでバックアップする。前回からの差分だけを転送する増分バックアップ機能や、バックアップ対象サーバー側でのデータ重複排除など、バックアップ時間を短縮する機能に注力している。

Arcserve Unified Data Protection v6.5のダッシュボード画面
Arcserve Unified Data Protection v6.5のダッシュボード画面
(出所:Arcserve Japan)
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 ソフトウエアは、バックアップ対象機(Windows、Linux)に導入するエージェント、スケジュールを管理する管理コンソール、バックアップイメージを格納する復旧ポイントサーバーで構成する。仮想環境(VMware vSphere、Hyper-V)については、個々の仮想マシンをエージェントレスでバックアップできる。ジョブ管理ソフトや運用管理スクリプトから条件に合わせてバックアップ処理を実行できるように、WindowsのPowerShell環境で利用できるコマンドラインプログラムも提供する。

 バックアップデータからあらかじめ仮想マシンを作成しておき、災害時にイメージファイルを直接起動して業務を復旧することができる。現行版では、仮想マシンとして、Amazon EC2を利用できるようにした。リストア時間が不要なため、業務サービスをES2上ですぐに再開できる。さらに、平常時は仮想マシンが稼働しないため、低コストで災害対策を実現できる。

 現行版では、Office 365のメールデータもバックアップできるようにした。メールデータをオンプレミスにバックアップして保管できることに加えて、削除済みのメールボックスや予定表、タスクなどを、個々のアイテム単位で復旧できる。現行版ではさらに、すべてのソフトウエアコンポーネントについて、Windows Server 2016環境でも動作するようにした。

 サーバーごとにどの時点まで戻せるかを可視化するRPO(Recovery Point Objective、目標復旧地点)レポートと、設定した目標復旧時間内に復旧できるかを可視化するRTO(Recovery Time Objective、目標復旧時間)レポートを備える。RPOレポートでは、「過去1週間で復旧ポイントが7個ある」など、一定期間内の復旧ポイント数をノードごとに表示する。RTOレポートでは、実際の復旧時間と、目標の復旧時間を比較した結果を色分け表示する。

 Arcserve UDPをプリインストールしたアプライアンス機器は、バックアップ容量に応じて、12Tバイトの「Arcserve UDP 7300 Appliance」と、24Tバイトの「Arcserve UDP 7320 Appliance」がある。24Tバイトを超える容量をバックアップしたい場合は、2台目以降を増設してスケールアウト構成で利用できる。

Arcserve Unified Data Protection v6.5の概要
用途と機能中小規模の企業情報システムに向いた多機能型のイメージバックアップソフト
特徴OSを含めたシステムイメージを丸ごとバックアップする。前回からの差分だけを転送する増分バックアップ機能や、バックアップ対象サーバー側でのデータ重複排除など、バックアップ時間を短縮する機能に注力している
ソフトウエア構成エージェント(バックアップ対象機に導入)
管理コンソール(スケジュールを管理する)
復旧ポイントサーバー(バックアップイメージを格納する)
エージェントの稼働OSWindows、Linux
仮想化への対応■仮想環境(VMware vSphere、Hyper-V)については、個々の仮想マシンをエージェントレスでバックアップできる
■バックアップデータからあらかじめ仮想マシンを作成しておき、災害時にイメージファイルを直接起動して業務を復旧することができる
価格(税別)■Arcserve UDP v6.5は、10万円から
■UDP 7320 Applianceは、640万円
発表日2017年3月1日
出荷日2017年3月13日(Arcserve UDP v6.5)
UDP 7320 Applianceは2017年4月3日に受注開始