東京エレクトロンデバイスの「業務端末シンクライアント化サービス」は、既存の業務用パソコンをシンクライアント(画面情報端末)として利用できるようにするサービスである。OSを、組み込み用途の「Windows 10 IoT Enterprise」に入れ替え、さらにシンクライアント端末用途にカスタマイズする。ハードディスクをSSDに変更したり、メモリーを増設したりして、既存パソコンの資産を生かしつつシンクライアント化する。

組み込み用のWindows 10を用いて既存PCをシンクライアント化する
組み込み用のWindows 10を用いて既存PCをシンクライアント化する
(出所:東京エレクトロンデバイス)
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 シンクライアントとは、遠隔地にあるWindowsパソコンのGUI画面をリモートから遠隔操作する用途に特化した端末である。その仕組み上、シンクライアント側に企業の機密データなどを置くことなく運用できるため、リモートワーク時の情報漏洩を防止できる。

 組み込み用OSのWindows 10 IoT Enterpriseと、デスクトップ用途のWindows 10の最大の違いは、OS機能の自動アップデートを回避できることである。「OSの更新によってアプリケーションが動作しなくなる」といったOSの更新に起因するトラブルを予防できる。

 ユーザー企業に合わせてOSのマスターイメージをカスタマイズするサービスも提供する。デスクトップ画面の変更だけでなく、OS起動直後に業務システムに接続する設定、セキュリティ対策としてのポリシー設定などが可能である。OSの入れ替え作業やカスタマイズは、ファム(横浜市)の協力により実施する。

 想定する主な用途は、Windows 7(2020年1月14日にサポート終了)を搭載したパソコンのシンクライアント化。さらに、汎用のWindows 10を搭載したパソコンをWindows 10 IoT Enterpriseに移行してセキュア端末化する用途も想定している。

業務端末シンクライアント化サービスの概要
用途と機能既存の業務用パソコンをシンクライアント(画面情報端末)化するサービス
シンクライアント化の方法OSを組み込み用途の「Windows 10 IoT Enterprise」に入れ替え、さらにシンクライアント端末用途にカスタマイズする
ハードウエアの改善ハードディスクをSSDに変更したり、メモリーを増設したりして、既存パソコンの資産を生かしつつシンクライアント化する
Windows 10 IoT Enterpriseの特徴組み込み用途のWindows 10。デスクトップ用途のWindows 10と比べた最大の違いは、OS機能の自動アップデートを回避できること。「OSの更新によってアプリケーションが動作しなくなる」といった更新絡みのトラブルを予防できる
OSのカスタマイズユーザー企業に合わせてOSのマスターイメージをカスタマイズするサービスも提供する。デスクトップ画面の変更だけでなく、OS起動直後に業務システムに接続する設定、セキュリティ対策としてのポリシー設定、などが可能
想定する用途■Windows 7(2020年1月14日にサポートが終了)を搭載したパソコンをシンクライアント化する
■汎用のWindows 10を搭載したパソコンをWindows 10 IoT Enterpriseに移行してセキュア端末化する
価格(税別)OSのマスターイメージ作成費用が1マスターあたり35万円から。マスターイメージを使って既存のパソコンをシンクライアント化する費用は、OSのライセンス費込みで1台あたり2万円から
発表日2019年1月10日
提供開始日2019年1月10日