グレープシティの「ActiveReports 11.0J Server」は、業務システムの帳票(データ出力フォーム)を開発/運用するために必要な機能一式をサーバーアプリケーションの形でパッケージングしたソフトウエアである。ユーザーは、Webブラウザーを使って、帳票の設計や、帳票の表示/印刷、帳票のファイル出力、スケジュール実行などの運用作業ができるようになる。

ActiveReports 11.0J Serverのシステム構成
ActiveReports 11.0J Serverのシステム構成
(出所:グレープシティ)
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帳票デザイナの画面
帳票デザイナの画面
(出所:グレープシティ)
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 IIS(Internet Information Services)環境で動作するWebアプリケーションである。出力した帳票は、HTML5またはFlashの帳票ビューワを使って閲覧できるほか、登録したプリンターから直接印刷できる。帳票の設計(デザイン)も、WebブラウザーのIE(Internet Explorer)から行える。ClickOnceの仕組みを使ってローカル環境にデザイナソフトを配信/インストールする形であり、Webブラウザー上のマウスクリックによってデザイナソフトをローカル起動する。

 帳票のデザイン方式は3つ。(1)「セクションレポート」は、データを繰り返し表示する帳票に適する。複数のレコードで構成する表データを、一つの宣言で表現できる。(2)「ページレポート」は、印刷結果とまったく同じレイアウトで帳票をデザインする。表データの表示範囲(件数)などを視覚的に把握できるため、項目の配置が複雑な帳票に向く。(3)「RDLレポート」は、複数データソースを一つのレポートに自由にレイアウトする。

 Webブラウザー上でできるすべての操作は、Web API(REST API)によっても実行可能。これにより、他のアプリケーションと容易に連携できる。例えば、アプリケーションの帳票出力をActiveReports 11.0J Serverに任せる、といったことができる。

 帳票エンジン部分は、ソフトウエア部品の製品「ActiveReports for .NET」と共通。帳票デザイナの機能も、セクションレポートの設計時にVisual BasicやC#といった開発言語が使えないことを除けば、できることは一緒である。ActiveReports for .NETを使って帳票をデザインする場合は、統合開発ツールのVisual Studioが必要になるほか、帳票開発者の人数に応じて開発ライセンスが必要。一方で、ActiveReports 11.0J Serverは、Visual Studioが不要であるほか、帳票開発者が何人いてもライセンス費用は変わらない。

ActiveReports 11.0J Serverの概要
用途と機能帳票作成ソフト(レポートライター)
提供形態帳票を開発/運用するために必要な機能一式をサーバーアプリケーションの形でパッケージングしたソフト
利用方法・Webブラウザーを介して帳票を設計できる(ClickOnce型で帳票デザイナソフトをダウンロード/実行)
・出力帳票はファイル出力できるほか、HTML5またはFlashの帳票ビューワで閲覧できる
・登録したプリンタからの帳票の直接印刷ができる
・帳票の生成や印刷などをスケジュール実行できる
・すべての操作はWebブラウザーだけでなくWeb API(REST API)経由で行える
帳票の出力形式印刷、PDF、HTML、HTML5、Excel、TIFF、RTF、RDF(ActiveReports独自形式)、など
稼働環境■帳票管理サーバー(Webポータルとコントローラー)は、Windows Serverと.NET FrameworkとIIS(Internet Information Services)
■帳票実行エージェント(帳票実行エンジン)は、Windows Serverと.NET Framework
■帳票デザイナ(ClickOnceアプリケーション)は、各種Windowsと.NET FrameworkとIE(Internet Explorer)
■帳票ビューワは、HTML5またはAdobe Flash
価格(8%消費税込み)帳票開発・運用をするために必要な運用サーバーライセンスが135万円
保守サービスが1年更新で33万7500円
発表日2017年1月25日
出荷日2017年2月28日