クラウドベースのソリューションであるIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を利用するユーザー企業に対して、アイ・ティ・アールが調査したところ、ユーザー企業がメリットとして挙げた項目は、「自社で資産を持つ必要がない」「運用/トータルコストが低い」「IT部門の運用作業を削減できる」「セキュリティレベルが高い」であることが分かった。

出所:アイ・ティ・アール(2014年8月27日)
出所:アイ・ティ・アール(2014年8月27日)
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 ただし、これらはIaaS特有の利点とはいえないものばかり。「サービスの選択肢が多い」「事前にサイジングを行う必要がない」「IT部門がビジネス価値のある仕事に集中できる」「ビジネススピードが速くなる」といった、IaaSならではの特徴や、自社のビジネスへの貢献を、メリットと意識している企業は少なかった。

 IaaSの課題についても、「セキュリティが不安」「トータルコスト/運用コストが高い」「サービスの継続性が保証されない」「カスタマイズ性に劣る」など、一般的なITソリューションの懸念点とほぼ同じ項目を挙げる企業が多かった。

 アイ・ティ・アールは、多くの企業はIaaSに対してオンプレミスなど一般的なITソリューションと同様の要求しか持っていないこと、IaaSならではの利点を自社の業績を伸ばすために生かそうという意識を持つ企業は少ないこと、などを指摘している。