矢野経済研究所は2015年3月31日、情報システム(IT)子会社に関する調査結果を発表した。それによると、親会社やグループ会社から受託したシステム業務(内販)において、「親会社主導だが、何らかの形で企画プロセスに参加している」IT子会社は48.3%、「主に開発プロセス(設計・開発)から参加している」が24.7%、「自社主導だが、親会社メンバーも企画に参加している」が5.6%、「自社だけで企画プロセスを遂行している」が1.1%となった。

調査対象:日本国内における情報システム子会社89社(n=89)
調査対象:日本国内における情報システム子会社89社(n=89)
[画像のクリックで拡大表示]

 親会社のIT子会社への評価について質問したところ、「大変満足」と回答したのは、「サポート体制」が19.4%と最多回答。次いで「コスト」9.7%、「技術力」8.1%となり、親会社の業務内容を熟知しているIT子会社のサポート体制が高く評価されていることが明らかになった。

調査対象:日本国内の情報システム子会社を有する企業(親会社)62社(n=62)<br>出典:矢野経済研究所(2014年11月~2015年3月調査)  注:「大変不満」との回答はなかった
調査対象:日本国内の情報システム子会社を有する企業(親会社)62社(n=62)
出典:矢野経済研究所(2014年11月~2015年3月調査)  注:「大変不満」との回答はなかった
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、不満が多かったのは「ソリューション提案力」で38.7%、次いで「コンサルティング力」が37.1%。3位に並ぶ「技術力」「コスト」「対応のスピード」を10%以上引き離しており、提案力とコンサルティング力の二つの項目で特に評価が低いことが分かる。

 同調査は、親会社がIT子会社に対して、企画プロセスへの参加を求める傾向が強くなっていると分析。IT子会社は今後、ソリューションの提案力、コンサルティング力を養っていくことが重要だ、と指摘している。