日本を狙うサイバー攻撃が増加している。トレンドマイクロによると、2014年第1四半期に同社のクラウド型セキュリティ基盤でブロックした不正プログラム、スパムメール、不正サイトの総数は2億700万件。2013年第4四半期が1億4500万件だったので、約1.4倍に増加した計算になる。

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 中でも、フィッシング詐欺やオンライン銀行詐欺ツールなど、直接金銭的な利益を目的とした攻撃が継続的に発生している。フィッシング詐欺は急増しており、2014年1月に国内から偽サイトへ誘導された端末台数は、前月の3倍以上に増加した。オンライン銀行詐欺ツールで新たな攻撃手法が登場しているのに加えて、日本語の身代金型ウイルス(ランサムウエア)も2014年第1四半期に初めて確認された。

 Webサイト改ざんの目的も、金銭目当てが主流となりつつある。同四半期に国内で公表された主なWeb改ざん被害11件のうち、7件はエンドユーザーへの不正プログラム感染を最終目標とした攻撃で、うち2件はオンライン銀行詐欺ツールと関連するものだった。また、11件中2件はフィッシング詐欺に連鎖していた。

 なお、オンライン銀行詐欺ツールの検出数を国別に見ると、米国がトップで日本は2位。オンライン銀行が急速に普及しているインドが、3位にランクを上げている。