日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は「企業IT動向調査2015」の中で、IT投資によって解決したい中期的な経営課題について調査した。国内上場企業とそれに準ずる企業を対象に、解決したい順に1位から3位まで課題を回答するよう依頼した。

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 その結果、1位から3位までの合計で、「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」が52.0%、「迅速な業績把握、情報把握(リアルタイム経営)」が41.4%と、この2項目が突出して多いことが分かった。続いて「営業力の強化」(3位までの合計25.3%)、「業務プロセスの質・精度の向上(ミス、欠品削減等)」(同合計25.0%)の順だった。後者は、課題の1位として挙げる企業は4.4%と少ないものの、2位、3位に挙げる企業が多かった。

 一方、1位の回答だけを見た場合、3番目までは1~3位を合計した場合と同じ課題(それぞれ22.0%、20.4%、10.1%)だが、4番目に「グローバル化への対応」(8.0%)が入り、続いて「IT開発・運用のコスト削減」、(7.8%)「ビジネスモデルの変革」(6.5%)、「顧客重視の経営」(5.0%)の順となった。

 ちなみに、2015年度のIT予算を前年度より「増やす」と回答した企業は42.0%で、「減らす」企業の18.2%を大きく上回った。「減らす」とする企業の割合は、前年度より10.3ポイント減少した。