前回、マーケティング部門が主導してリード(見込み顧客)育成を進めるためには、営業部門と密に連携することに加え、「育成したいリード」を定義し、その定義を満たすようにリードを育成した上で、評価していくプロセス設計が重要だと述べました。今回はリード評価について詳しく見ていきたいと思います。
リード評価とは
リード評価とは、展示会やセミナー、自社サイトなどの様々な顧客接点を通じて獲得、育成したリードに対して、客観的な比較をして優先順位を付けることです。マーケティング部門や営業部門は、自社製品・サービスに対するリードの興味や関心、売上期待(商談規模、発生時期、信用リスクなど)を評価して、優先的に案件・商談化するべき対象を絞り込めるようになります。
また、リード評価は「濾過器」としての役割も果たします。リードのデータは、顧客・会員データやキャンペーン・イベントの登録データ、名刺データなどの様々な形で社内に存在します。既に取り引きがある顧客である可能性も、自社が初めてリーチしたリードである可能性もあります。
例年9月には多くの展示会が実施されるため、リードの獲得数が多くなります。一方で、ビジネスの閉塞期である3月には少なくなります。リードを評価することで、上述のようなリードの質と量のバラつきを把握しながら、あらかじめ定義した評価基準とリードを照らし合わせて、基準に合致したリードのみを抽出できます。これにより、一定の条件に沿ったリードを育成できます。
BtoB企業におけるリード評価の重要性
BtoB企業では、マーケティング部門と営業部門の人的資源に限りがある中でも、販売機能の効率を向上させられるリード評価が重要な役割を果たします。BtoB企業の営業活動には多くの時間と労力を必要とし、リードからの引き合い~商談~提案~受注までには、数カ月~数年を要する場合もあります。そのため、失注すれば多くの労力が無駄になります。
ここでリード評価をすることで、望みの薄いリードはスクリーニングできます。営業部門は有望かつ売り上げへの期待が高いリードを重点的に深耕することで、営業人員一人当たりの受注確度や平均案件単価を向上させられます。
そして、リード評価基準を明確にし、優先順位を設定することで、マーケティング活動と営業活動がスムーズになり、リードの発掘から案件化までの所要時間の削減にもつなげられます。
リードの評価基準をあらかじめ営業担当者とすり合わせてからリードの育成・評価をすれば、営業担当者の好みや特性に応じたリードを受け渡せるようになります。