「取材だけでなく、受講者として参加してもよいでしょうか」。大成建設の元情報企画部長で、現在はオラン社長の木内里美氏に筆者はこうメールした。

 参加を希望したのは、木内氏が主催者の一人を務める「InnovationCafe」。企業内イノベーターを育てるためのコミュニティである。第1回CIOオブ・ザ・イヤーを受賞した木内氏と第1回データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した河本薫氏らが設立したことで話題になった(関連記事:CIOとデータサイエンティストの年間受賞者らが企業内イノベーター育成)。

 2015年2月4日、同コミュニティ発足後、2回目の大きいイベント「InnovationCafe vol.1」が開かれた(1回目が「InnovationCafe vol.0」だったため、番号と回数にずれがある)。今回のテーマは「企業内の新規事業開発」。記者職と兼務で新規事業を担当している筆者は、このイベントに興味をそそられた。

 通常、記者としてイベントを取材するときは、用意された「記者席」に座って受講する。今回、記者席での受講を希望しなかったのは、「フューチャーセッション」と呼ぶ、参加者同士が共同で作業するプログラムがあったからだ。こういった内容は、外から見ているのと実際に自分が経験するのとで身に付くことが大きく異なるはず。そこで、取材するとともに、一般参加者に交じって受講することをお願いしたわけだ。

 送信メールには「他の参加者の迷惑になるかもしれないので、不都合があれば遠慮なくおっしゃってください」と付け加えたが、木内氏からは「大歓迎です。ぜひフューチャーセッションに参加してください。体験記事が楽しみです」との返事が来た。かくして筆者は、一般参加者に交じって、イベントを体験してきた。今回の記者の眼では、フューチャーセッションの様子を中心に、InnovationCafe vol.1の様子を参加者の視点からレポートしたい。