企業のCIO(最高情報責任者)やデータサイエンティストらが発起人となって、「企業内イノベーター」の育成を目指す──。2014年7月17日、企業内でイノベーションを起こす人材の育成を狙った新たな取り組み「InnovationCafe(イノベーションカフェ)」が最初のイベントを開く(InnovationCafe)。

 発起人は、日経情報ストラテジーが毎年表彰している「CIOオブ・ザ・イヤー」および「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」の受賞者ら3人。

 大成建設時代に初代CIOオブ・ザ・イヤーに輝いた木内里美氏(現在はオランの代表取締役で、システムイニシアティブ協会理事長)と、同じくデータサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーの初代受賞者である大阪ガス情報通信部ビジネスアナリシスセンターの河本薫所長(関連記事:自由と規律でフル回転、泥臭いからこそ充実感 )、そして大成建設建築本部建築部の田辺要平課長が企業内イノベーターの必要性で意気投合。InnovationCafeの発足に至ったという。

 大阪ガスの河本所長は「企業にとってデータ分析はビジネスイノベーションの手段だが、データ分析をビジネスに生かせないのは分析力が足りないからではなく、企業内でイノベーションを起こす力が不足しているからかもしれない。ITなど手段を問わず、企業内でイノベーションを起こす力が日本企業に求められているように思える。InnovationCafeは経営者や企業人が企業内イノベーターの重要性に気づき、勇気づけられ、パワーアップする場になることを目指す」と話す。

 一方、オランの木内代表取締役は「企業内でイノベーションを起こすポテンシャルを持った30~40代に、次世代を託さなければならない。InnovationCafeはロールモデルを学べるコミュニティーにしたい。共通するスキルやメンタリティー、コンピテンシーをつかみ取って実践すれば、誰でも企業内イノベーターになれるかもしれない」と語る。

 加えて、大成建設の田辺課長は「企業内で改善を超えたイノベーションを起こすには、多くのスキルが必要だ。InnovatioCafeは今まで誰も実践してこなかった切り口で、そのスキルを掘り下げたい」という。