ロシアの連邦反独占庁(FAS)は現地時間2017年4月17日、米Googleに対する独占禁止法違反訴訟でGoogleと和解したと発表した。Googleは、ロシアのAndroid端末に競合の検索エンジンやアプリケーションをプリインストールできるようにすることなどで合意した。

 FASがGoogleに対する独禁法違反の調査を開始したのは約2年前。ロシアの検索エンジンYandexの苦情申請に基づき、調査を行うことを2015年2月に決定した。

 FASは同年9月、GoogleがAndroidの独占的地位を乱用して、競争保護に関する連邦法を侵害していると判断した。

 Googleはこれを不服として異議を申し立てたが、裁判所はFASの主張を支持。FASはGoogleに約4億3800万ルーブル(約8億6000万円)の制裁金支払いを命じた。

 FASの主張では、Googleはモバイル端末メーカーに対して、他社アプリケーションをプリインストールすることを禁じていた。また、「Google Play」を統合する条件として、他のGoogleアプリケーションをプリインストールし、ホーム画面で優先的に配置すること、Googleの検索エンジンをデフォルト設定することをなどを強要したとする。

 その後Googleが和解を提案し、FASは市場競争を回復させることが急務だとして和解提案に応じたという。

 和解条件のもと、GoogleはロシアのAndroid端末における同社アプリケーションの独占性を求めず、競合検索エンジンやその他アプリケーションのプリインストールを制約しない。また、Google検索エンジンのデフォルト設定を強要せず、「Chrome」ブラウザーで他社検索エンジンを既定検索エンジンに設定できるようにする。

 米メディア(PCMag)の報道によると、和解条件には制裁金の支払いも含まれている。

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