中国Alibaba Group Holding(阿里巴巴集団控股)は現地時間2017年1月10日、中国百貨店大手のIntime Retail(銀泰商業)を非公開化する提案を主導していることを明らかにした。

 Alibabaは投資子会社Alibaba Investmentを通じて、Intime創業者のShen Guo Jun(沈国軍)氏が運営する事業体とともに、スキーム・オブ・アレンジメント方式での非公開化をIntime株主に提案している。

 Intimeは中国の大都市を中心に29カ所の百貨店と17カ所のショッピングモールを経営。特にAlibabaが本社を置く浙江省で強力な地歩を確立している。

 Alibabaは2014年に初めてIntimeに出資し(関連記事:Alibaba、中国百貨店大手に6億9200万ドル出資)、現在はIntimeの株式の約28%を保有している。

 Alibaba主導の提案では、AlibabaとShen Guo Jun氏がIntimeの株式を1株当たり10香港ドルで取得して非公開化する。10香港ドルという金額は、過去60日間の平均終値より約53.59%高く、直近(2016年12月28日)の終値を42.25%上回るという。非公開化に必要な現金は約198億香港ドル(約26億米ドル)にのぼる見込みで、AlibabaのIntime株式の保有率は約74%となる。

 Alibabaは「オンラインとオフラインのショッピング体験を区別することは時代に即していない」とし、オンラインに対応していない小売り販売事業者はモバイルのパワーとリアルタイムの洞察、業務効率を高める技術を統合することで新たな価値を生み出すことができると説明している。

 伸び悩むオンライン事業以外で成長分野を模索するAlibabaにとって、Intime非公開化の取引は実店舗による小売販売事業の強化につながると、米Bloombergは報じている。

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