米Amazon.comは輸送トラックを配車するためのモバイルアプリ技術を開発していると、複数の米メディア(Business InsiderWall Street Journalなど)が現地時間2016年12月19日までに報じた。

 それによると、Amazon.comが開発しているとされるのは、荷主と輸送トラックをマッチングさせるアプリで、米Uber Technologiesなどが手がける配車サービスのような仕組みになるという。これが実現すれば、従来かかっていた15%ほどの中間業者の手数料を省くことができる。アプリは2017年夏にも登場する見通しだとBusiness Insiderは伝えている。

 Wall Street Journalによると、アプリは港から物流センターに貨物を輸送したり、倉庫から宅配施設に商品を運んだりするために利用されるもよう。Amazon.comは自社で取り扱う荷物にこのアプリを利用するだけでなく、他社にもサービスを提供し、新たな収益源が得られる可能性があるという。

 Amazon.comは2015年12月、同社の倉庫などの施設間の商品輸送のために、自社ブランドの輸送トラックを導入すると発表した(関連記事:Amazon.comが数千台の輸送トラック導入 配送を効率化:ITpro)。また2016年夏には、自社ブランドの貨物航空機を利用した輸送業務を始めたことも明らかにした(関連記事:Amazon.com、自前の貨物航空機の運航開始:ITpro)。

 このアプリが実現すればAmazon.comはこれまで外部に委託していた中間業務を自社で手がけ、自社開発のテクノロジーも導入することになる。これにより、Amazon.comは輸送能力を拡大し、その余剰能力を外部企業に提供できるようになると、Wall Street Journalは伝えている。同紙によると、これは同社のクラウドコンピューティング事業、Amazon Web Servicesと同様のビジネスモデルになる可能性があるという。