米Amazon.comは商品配送の効率化を図るため、自社ブランドの輸送トラック数千台を米国で導入すると、現地時間2015年12月4日に発表した。複数の米メディア(Wall Street JournalCNETなど)の報道によると、Amazon.comが所有するのは同社ロゴが描かれたトレーラー部分で、トレーラーをけん引するトラクターとドライバーは外部に委託する。

 新車両は、同社倉庫など施設間の商品輸送に使用する。購入者への商品配達には使わないが、商品アイテムの移動や振り分けを効率化することで、即日配送サービスや最短1時間の高速配送「Prime Now」を強化したい考え。また、ロゴが描かれたトレーラーによりマーケティングの効果も期待できる。

 商品配達に関しては引き続き米郵便公社(USPS)、米UPS、米FedExや中規模の地域輸送会社と提携する。ただしAmazon.comはすでに生鮮食料品の配達サービス「Amazon Fresh」や一部地域のPrime Nowサービスで自社ブランド車両を使用しており、いずれUPSやFedExに対抗する配送ネットワークを築くことを狙っているとの見方もある。同社は2013年のホリデーシーズンに配送遅延の混乱を経験した。

 Amazon.comが今回トレーラーのみの所有にとどめたのは、車両を管理する輸送会社として登録すると保険料など諸費用がかかるためとの意見を、米IT系メディアサイト「Re/code」は伝えている。