リクルートライフスタイルとリクルートペイメントは2016年12月1日、iPhone/iPadと連動するモバイル決済端末を使った決済サービス「Airペイ(旧称Airペイメント)」を拡充すると発表した。

写真●「Airペイ」の決済端末と利用イメージ
写真●「Airペイ」の決済端末と利用イメージ
(出所:リクルートライフスタイル)
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 従来のVISA、MasterCardブランドのクレジットカードへの対応に加え、同日から新たにJCB、American Express、Diners Club、Discoverの取り扱いを始める。SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーへの対応についても本格サービス開始に向けて「実地検証中」としている。

 決済端末(写真)は英ミウラ・システムズ製で、価格は1万9800円(税込み)。12月末まで、一定の条件を満たした場合に決済端末代金の全額をキャッシュバックするキャンペーンを実施する。別途、iPhone/iPadが必要。交通系電子マネーを利用する場合は利用控えを印刷するためのプリンターも必須になる。

 決済手数料はJCB/Diners Club/Discoverが3.74%、VISA/MasterCard/American Expressと交通系電子マネーが3.24%。

IC対応義務化で参入相次ぐ

 モバイル決済端末は、2013年頃から楽天や米スクエアが展開を始め、中小小売店・飲食店などで利用が広がった(関連記事:楽天がカード決済端末に参入、2980円の読み取り機を直販)。当初は磁気クレジットカードのみに対応する簡易な端末が主流だったが、その後多機能化が進んでいる。

 現在、決済システムのセキュリティ向上などを目指す改正割賦販売法案が国会で審議されている。可決・成立した場合は2018年半ばに店舗決済端末の「IC対応化」が義務づけられる。磁気クレジットカードにしか対応していない店舗は、ICクレジットカードや電子マネーに対応した新型端末の導入を検討する必要がある。

 この置き換え需要の取り込みを狙い、「Airペイ」以外にも、モバイル多機能決済端末への参入が相次いでおり、競争が激化しつつある。三菱UFJニコスは2016年10月に「BluePad-50」を発売した。最初のユーザーとしてKDDIが採用し、2016年11月までに全国の「auショップ」約2500店舗への展開が完了した。各種クレジットカードと電子マネー「QUICPay」に対応し、2017年春頃には交通系電子マネーへの対応も始める。

 楽天も「楽天ペイ」の新型モバイル決済端末を近日中に発売すると発表している。各種クレジットカードと電子マネー「楽天Edy」に対応し、他の電子マネーへの対応も検討中だという。