カナダBlackBerryは現地時間2016年10月31日、組み込み向けソフトウエアプラットフォーム「QNX」とセキュリティソフトウエアの使用拡大について米Ford Motorと合意したと発表した。詳細な合意条件については明らかにしていない。

 BlackBerryはFordとの協業に専念するチームを結成し、FordにおけるリアルタイムOS「QNX Neutrino」、セキュリティ技術「Certicom」、QNXハイパーバイザー、QNX音響処理ソフトウエアの使用拡大に共同で取り組む。

 BlackBerryはFordとの提携について、「当社のハードウエア企業からソフトウエア企業への移行加速を示すものだ」と述べている。

 QNXはすでにFordの車載情報システム「SYNC 3」に採用されているが、SYNC 3はパナソニックが開発を手がけ、Fordに供給している。今回の合意では、BlackBerryとFordは直接協力する。BlackBerryは以前より自動運転ソフトウエア開発の意欲を明らかにしており、Fordは他の大手自動車メーカーと同様、自動運転車開発に投資しているため、QNXはFordの自動運転車に使用される可能性が高いと米メディア(BloombergAndroid Headlinesなど)は指摘している。

 QNXは、BlackBerryが2010年に買収したカナダQNX Software Systemsが開発した。QNX Software Systemsの創業者で最高経営責任者(CEO)だったDan Dodge氏を現在米Appleが雇用していることが分かったと、7月に報じられている(関連記事:Appleの自動車プロジェクト、自律走行技術の開発に注力)。

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